バーチャルオフィスとは、「物理的なオフィスを借りずに事業に必要な事務所の住所や機能だけを借りられるサービス」です。
会社を開業する際には登記先となる住所が必要となりますが、バーチャルオフィスを活用すれば、物理的なオフィスを持たなくても会社登記が可能です。
事務所を借りるより初期費用を抑えて法人登記ができるため、コスト面で大きなメリットがあります。
しかしバーチャルオフィスの種類は多く、何を基準に選べばいいか迷う方も多いです。
そこで本記事では、失敗しないバーチャルオフィスの選び方を解説し、特におすすめのバーチャルオフィス9社を徹底比較してご紹介します。
おすすめのバーチャルオフィス9選
さっそく結論から伝えます。
私の会社も『1位のGMOオフィスサポート』を使っています。
オフィス名 | 場所 | 初期費用 | 月額料金 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
【第1位】 | 渋谷/銀座/青山/名古屋/大阪/京都/福岡など | 無料 | 660円〜 | 6ヶ月無料キャンペーン実施中 |
【第2位】 | 渋谷/銀座/大阪/横浜/名古屋/福岡など | 5,500円 | 660円〜 | 駅近の一等地にある住所を月額660円で利用可能。 |
【第3位】 | 渋谷/銀座/恵比寿青山/新宿/浜松町など | 5,500円 | 990円〜 | 4つの銀行と提携していて法人口座開設に有利。 |
バーチャルオフィス1 | 渋谷/広島 | 5,500円 | 880円〜 | 月4回の郵便物の転送プランがある。 |
Karigo | 日本全国62拠点/アメリカなど | 5,500円 | 3,300円〜 | 地方で法人登記したい方におすすめ。 |
ユナイテッドオフィス | 銀座/日本橋/表参道/青山/渋谷/新宿/池袋 | 6,600円 | 2,310円〜 | 会社設立手続き・口座開設サポートが充実。 |
METSオフィス | 新宿/日本橋/赤羽 | 4,750円 | 270円〜(法人登記は不可) | 自社ビル直営の住所利用。会員継続率98%。 |
ワンストップビジネスセンター | 日本全国 | 10,780円 | 5,280円〜 | 全国40店舗展開。北は札幌、南は福岡までカバー |
目黒 | 5,500円 | 1,100円〜(年間契約の場合の月額料金) | 個人のネットショップ開業におすすめ。 |
バーチャルオフィスを使うメリット
会社経営者や個人事業主・フリーランスの人がバーチャルオフィスで得られるメリットは下記4点です。
安価な利用料金でコストを抑えられる
バーチャルオフィス最大のメリットは、コストを圧倒的に抑えられる点です。
通常、都心で物理的なオフィスを借りるとなると、仲介手数料や保証金の支払い、敷金や礼金、前家賃から火災保険が発生します。敷金礼金は賃料の数か月分、保証金は賃料の6か月分から、多い場合だと1年分のケースもあります。そのため毎月の賃料が20万円ほどの物件であっても、初期費用は200万円以上かかるケースが多くあります。
物理的なオフィスよりも低コストな「コワーキングスペース」や「レンタルオフィス」を借りるとしても、入会金や2ヶ月分の利用料が発生するため、まとまった初期費用が必要になります。
<渋谷に事務所(1K/賃料20万円/月)を賃貸する場合のイニシャルコスト>
敷金 | (賃料6ヶ月分)120万円 |
礼金 | (賃料2ヶ月分)40万円 |
仲介手数料 | (賃料1ヶ月分)20万円 |
火災保険料 | 2万円 |
保証料 | (賃料1ヶ月分)20万円 |
合計 | 202万円 |
事務所の賃料や条件によって前後しますが、200万円以上の初期費用がかかる計算になります。
<渋谷のバーチャルオフィス(1500円/月)を利用する場合のイニシャルコスト>
入会金 | 0.5万円 |
保証金 | 0.5万円 |
合計 | 1万円 |
この通り、バーチャルオフィスを使うことで単純計算ですが約199万円ものコストカットができます。
『GMOオフィスサポート』や『DMMバーチャルオフィス』などのバーチャルオフィスでは、月額数百円から利用できるため、手軽かつ経済的なためコスト面で大きなメリットがあります。
一等地の住所を借りることができるため信用力が上がる
バーチャルオフィスが提供している住所は、東京都内では渋谷、銀座、新宿、六本木、丸の内、大手町、梅田、心斎橋、名古屋、福岡などの主要都市の一等地に位置しています。
実際にこれらの場所で物件を借りるとなると、月で数十万円の賃料を払うことになりますが、バーチャルオフィスを利用すれば格安で一等地の住所を利用できます。
またバーチャルオフィスの住所は名刺やウェブサイトに記載できるため、顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。「この場所に住所を持っている会社であれば安心だろう」と考える消費者や取引先は多いためです。
例えば、ECサイトを運営する場合でも、運営元の住所が銀座や丸の内であれば、印象が全く変わります。
自宅住所を隠すことができるためプライバシーを守れる
事業を行う上で、請求書の発行や荷物の受け取り、ECサイトやWebサイトの運営、法人登記など、住所の掲載は必要不可欠です。
ネットショップを運営する個人事業主の方が自宅住所をサイトに掲載している場合や、自宅住所をビジネス上の住所として法人登記されている場合、自宅の住所は誰でも見られる状態となり、DMや訪問営業がくることが考えられます。
バーチャルオフィスを利用すれば、自宅の住所を公開せずに安心して事業を行うことができます。
事務所移転しても住所変更が不要
自宅を事業用の住所として使用すると、引越しのたびに税務署や行政機関に住所変更の届出を出す必要があります。また名刺やHP、請求書も住所を都度変更する必要があり手間がかかります。
法人の本店移転登記に関しては、登録免許税として3万円〜6万円かかるため、手間だけでなくまとまった費用もかかってしまいます。
一方で、バーチャルオフィスを契約していれば、自宅を引越しても事業上の住所は変わらないため、住所変更は不要です。
バーチャルオフィスの3つのデメリット
他の利用者と住所が被ってしまう
バーチャルオフィスでは1つの住所を多数の利用者が利用します。
そのため他の利用者によってその住所が犯罪に使われてしまうと、住所の信用度が低下してしまいます。
住所の信用度が落ちてしまうと、取引先からの信頼も損なわれ、銀行の口座開設や資金調達などの審査に通りにくくなる可能性があります。
最悪、同じ住所で事業を続けていくのが難しくなります。
トラブルを未然に防ぎ、一度契約した住所を長く使い続けるためには、安定した企業運営と管理体制があり、運営年数のあるバーチャルオフィスを選ぶことが重要です。
郵便物の受け取りが遅れる
事業を始めると、郵便や書留、ダイレクトメール、宅配物など様々な荷物が届きます。
ご自宅や賃貸オフィスの場合はすぐに受け取りができますが、バーチャルオフィスの場合はバーチャルオフィスに一旦郵便物が届いてから利用者の指定場所に転送するため、直接郵便が届く場合と比べて受け取りまでに時間がかかってしまいます。
そのためバーチャルオフィスによっては、速達や書留の即日転送や郵便物の到着時の連絡サービスを提供しているところもあります。
会員ページがある『GMOオフィスサポート』などのバーチャルオフィスでは、郵便物がいつどんなものが届いたのかをパソコンやスマートフォンで24時間いつでも確認することができるサービスを提供しています。
許認可が取れない業種がある
バーチャルオフィスでは、特定の許認可が必要な業種では開業ができないことがあります。特に個別専有スペースが必要とされる業種では開業が困難になりますため、事前に注意が必要です。
【バーチャルオフィスでの開業が難しいと思われる業種】
職業紹介業:実体のある事業所の確保が必要なため
人材派遣業:20平方メートル以上の事業所が必要なため(一般労働者派遣事業)
建設業:請負契約の締結などができる事務所が必要なため
廃棄物処理業:廃棄物を適切に処理する施設や能力が必要なため
古物商:独立した営業所が必要なため
探偵業:公安委員会から交付される探偵業届出免許証を事務所の見えやすいところに掲載する必要があるため
風俗営業:バーチャルオフィスでは風俗営業を公安委員会が正確に管理できないため
金融商品取引業:営業所に事務所の図面、職員の配席図、また標識などの掲示をする必要があるため
バーチャルオフィスの料金相場
バーチャルオフィスは住所を借りるだけでなく、来客や電話対応、郵便物の転送など秘書業務も依頼できます。料金は月額の基本料金に含まれたり、オプションとして別途料金が発生するなど様々です。この章では、バーチャルオフィスの初期費用や月額料金、オプションの料金相場をご紹介します。
1.初期費用(入会金) | 0円〜15,000円 |
2.登記住所 | 月額1,650円〜35,000円 |
3.電話代行 | 月額10,000円前後 |
4.会議室の利用 | 1時間あたり1,000円前後 |
5.郵便物受取・転送 | 月額料金に含まれる |
6.来客対応 | 月額料金に含まれる |
初期費用・入会金:0円〜15,000円
バーチャルオフィスを契約する際は、初期費用がかかります。初期費用の相場は、0円〜15,000円ほどです。創業応援プランや女性起業家プランなど、初期費用が無料になるキャンペーンを実施しているケースもあります。
『GMOオフィスサポート』であれば、初期費用無料でバーチャルオフィスを契約できます。
登記住所:月額1,650円〜35,000円
法人化する際に、登記の本店所在地にバーチャルオフィスの住所を利用することができます。ほとんどの場合、月額料金に登記のための住所貸し費用が含まれていますが、オプションであれば数千円ほど上乗せになるケースが多いです。
登記された住所は国税庁の法人番号公表サイトや企業のデータベースなどに掲載されるため、自宅以外の住所で登記したい方も多いです。
電話代行:月額10,000円前後
固定電話に着信があった際に、バーチャルオフィスの受付スタッフが間に入って応対してくれる電話代行サービスがあります。スタッフが利用会員が不在である旨を伝え、いつ誰から電話があったかをメールで通知してくれます。
利用する際はオプションで追加するケースがほとんどで、ワンコール200円〜、月額10,000円前後が相場です。
会議室の利用:1時間あたり1,000円前後
バーチャルオフィスの一部には、会議室を利用できる施設も存在します。取引先との打ち合わせやセミナー、カウンセリングなど、対面で仕事を行う機会が多い方におすすめです。
会議室の広さや設備によって利用料は異なりますが、バーチャルオフィスの会員であれば1時間あたり1,000円前後で利用できるのが一般的です。
郵便物受取・転送:月額料金に含まれる
バーチャルオフィスに届いた郵便物は、バーチャルオフィスの受付スタッフが受け取り、Web上で送り主や郵便種別などを通知してもらえます。また、自宅に郵便物を転送してくれるサービスもあり、一般的には月額料金に転送代金も含まれています。
無料で転送してくれる頻度は週1回〜月1回とさまざまで、速達やレターパックプラスでの転送にも対応している場合があります。
来客対応:月額料金に含まれる
商談や金融機関との打ち合わせ、営業訪問など、いつも通りの業務中にいきなり来客があることは珍しくありません。バーチャルオフィスを登記先の住所として設定しておけば、バーチャルオフィスの受付スタッフが来客者の名刺の受け取りを行ってくれます。
来客対応は、一般的に月額料金に含まれているケースが多いですが、別途オプションで数千円程度の追加費用が発生することもあります。
失敗しないバーチャルオフィスの選び方
バーチャルオフィスの選び方は以下の3つです。
- 料金の妥当性
- 登記先住所と立地
- 職種がバーチャルオフィスに向いているか?
これらのポイントをすべて押さえて、あなたにぴったりのバーチャルオフィスを選びましょう。
料金の妥当性
バーチャルオフィスを選ぶ際には、初期費用や月額料金など、総合的にかかる料金を確認するのがポイントです。初期費用が安く済む場合が多いものでも、オプション料金や月額費用が高くなるケースもありますので前章を参考に料金相場を把握して下さい。
バーチャルオフィスのサービス内容によっても変わりますが、月額料金は1万円程度の場合が多いです。月額料金の相場を参考に、初期費用やオプションサービスを比較しましょう。
オフィスのエリア
次はバーチャルオフィスのエリアを確認して下さい。最寄り駅からのアクセスや実際の立地を検討して、ビジネス活動に適した拠点を見つけることが重要です。特にブランディングや商談のために利用する場合は、都心の一等地の住所にできるかどうかチェックしましょう。
ビジネスの信頼度を高めたい場合は、ビジネス一等地の住所を借りることで企業の信頼感を高めることにもつながります。
海外展開の予定がある場合は、海外にも拠点があるバーチャルオフィスを選ぶことを検討しましょう。店舗の立地場所と拠点先を基準にして選ぶことがおすすめです。
職種がバーチャルオフィスに向いているか?
バーチャルオフィスは全ての職種に適しているわけではありません。
一般的に、場所に縛られない個人作業が可能な職種(エンジニア、プログラマー、デザイナーなど)、訪問が主体の職種(営業、コンサルタント、講師など)、または業務をクライアント先や外部で行う職種(インストラクター、整体師、スタイリストなど)にバーチャルオフィスが一般的に利用されています。
自宅で製造・販売する職種やネットショップ経営者もバーチャルオフィスの活用者が多いです。
一方で、特定の許認可が必要な職種にはバーチャルオフィスは向いていません。
弁護士、会計士、税理士、司法書士、建築士などは、開業の申請や手続きにあたり物理的な事務所を設ける必要があります。一般派遣業も、厚生労働省の認可には「事業所面積が20㎡以上」「適切な位置にある」などの条件があります。不動産業、古物商、金融商品取引業者も、バーチャルオフィスでの認可が下りない可能性がある職種です。
あなたの職種や業種がバーチャルオフィスに適しているか、開業・起業時には必要な認可が得られるかどうかを確認し、その上でバーチャルオフィスを契約しましょう。
まとめ
私の会社も『1位のGMOオフィスサポート』を使っています。
オフィス名 | 場所 | 初期費用 | 月額料金 | 特徴 |
【第1位】
| 渋谷/銀座/青山/名古屋/大阪/京都/福岡など | 無料 | 660円〜 | 6ヶ月無料キャンペーン実施中 |
【第2位】 | 渋谷/銀座/大阪/横浜/名古屋/福岡など | 5,500円 | 660円〜 | 駅近の一等地にある住所を月額660円で利用可能。 |
【第3位】 | 渋谷/銀座/恵比寿青山/新宿/浜松町など | 5,500円 | 990円〜 | 4つの銀行と提携していて法人口座開設に有利。 |
バーチャルオフィス1 | 渋谷/広島 | 5,500円 | 880円〜 | 月4回の郵便物の転送プランがある。 |
Karigo | 日本全国62拠点/アメリカなど | 5,500円 | 3,300円〜 | 地方で法人登記したい方におすすめ。 |
ユナイテッドオフィス | 銀座/日本橋/表参道/青山/渋谷/新宿/池袋 | 6,600円 | 2,310円〜 | 会社設立手続き・口座開設サポートが充実。 |
METSオフィス | 新宿/日本橋/赤羽 | 4,750円 | 270円〜(法人登記は不可) | 自社ビル直営の住所利用。会員継続率98%。 |
ワンストップビジネスセンター | 日本全国 | 10,780円 | 5,280円〜 | 全国40店舗展開。北は札幌、南は福岡までカバー |
目黒 | 5,500円 | 1,100円〜(年間契約の場合の月額料金) | 個人のネットショップ開業におすすめ。 |
いかがでしたでしょうか?
バーチャルオフィスのメリットはコストを抑え、一等地の住所を利用して事業を開始できることです。また、バーチャルオフィスを利用することでプライバシーが守られることにあります。
バーチャルオフィスのデメリットは郵便物の受け取りが遅れる場合があること。他利用者と住所の重複があることや業種によっては許認可が取れないケースがあることです。
料金相場に関しては、初期費用が入会金として0円〜15,000円でかかり、月額の基本料金に住所利用や郵便物受け取り、その他来客対応等がかかります。
今回はバーチャルオフィスの失敗しない選び方についてご紹介しました。これから法人化予定の経営者の方や個人で開業しようとお考えの方、個人でショップをやってみたいな、という方にはぴったりのサービスです。
職種や事業の目的、許認可等のルールを確認のうえ自社に合ったバーチャルオフィスを選択するようにしてください。
とはいえ、自社に合った開業プランが分からない方や質問を投稿して専門家から回答をもらう方法もあります。会社設立に強い専門家が登録しているQ&Aサイト「タチアゲ」をご利用下さい。