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個人事業主として働く上で、避けては通れないのが税金。会社員時代とは違い、自分で計算し納付する必要があるため、その種類や仕組みを理解していないと、本来支払う必要のない税金を納めてしまう可能性も。税金に関する正しい知識は、事業の安定的な成長を支える重要な要素と言えるでしょう。面倒に感じて後回しにせず、税金としっかり向き合うことで、事業の成功に一歩近づけると言えます。
この記事では、2024年最新の情報に基づき、個人事業主が知っておくべき税金の種類、その計算方法、そして賢く節税するための対策を、図解や具体例を交えながら分かりやすく解説します。さらに、私自身の経験に基づいた一次情報も交えながら解説することで、より実践的な内容にしています。税金に不安を抱えている方も、この記事を読めばきっと理解が深まるはずです。
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1. 個人事業主と税金の基本
個人事業主になると、税金に対する意識を大きく変える必要があります。会社員時代は、給与から所得税や住民税が天引きされていましたが、個人事業主は自分で納税額を計算し、納付しなければなりません。
これは大きな責任を伴いますが、同時に、節税対策を積極的に行うことで、税負担を軽減するチャンスでもあります。また税金に加えて、個人事業主にでは、国民健康保険や国民年金などの社会保険料も自分で納付する必要があります。
会社員時代は会社が半分負担してくれていましたが、個人事業主は全額自己負担となります。
税金や社会保険料の納付は、個人事業主にとって大きな負担となりますが、事業を継続していく上で避けては通れないものです。次の章からより詳しく解説しています。
2. 個人事業主にかかる税金の種類
個人事業主にかかる税金は、主に以下の4種類です。
- 所得税
- 住民税
- 消費税
- 事業税
税金 | 金額・計算方法 |
---|---|
所得税 | 所得に応じて5%~45%の税金がかかる。 【課税所得 × 税率 × 税額控除】 |
住民税 | 所得割(10%)と均等割(5,000円)の税金がかかる。 【課税所得 × 10% + 5,000円】 |
個人事業税 | 業種によって3〜5%程度の税金がかかる。 一部非課税の業種もあり。 【課税所得 × 業種ごとの税率(都道府県で違う)】 |
消費税 | 1年間の課税売上が1,000万円を超える事業者が納税義務を負う。インボイス制度の導入に伴い、年間売上1,000万円以下であっても納税義務が発生する場合あり。 【課税期間中の売上にかかる消費税額 – 仕入れなどで支払った消費税相当額】 |
それぞれ詳しく解説していきます。
2-1. 所得税
1月1日から12月31日までの1年間の所得に対して課税されます。ここでいう「所得」とは、売上(収入)から経費を差し引いた金額です。
事業が軌道に乗り始めたばかりの頃は、売上に目が行きがちですが、経費を適切に計上することで、所得、ひいては税額をコントロールできることを意識しておきましょう。
各種所得控除には、医療費控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除などが含まれます。税率は累進課税制度を採用しており、課税所得に応じて5%~45%の7段階に区分されています。
この累進課税制度は、所得が多くなるほど税率が高くなる仕組みです。高所得者ほど多くの税金を負担することで、社会福祉の財源を確保する役割を果たしています。復興特別所得税は、基準所得税額の2.1%が加算されます(2037年まで)。
この復興特別所得税は、東日本大震災からの復興のための財源を確保するために設けられました。
毎年2月16日~3月15日の確定申告期間中に、税務署へ申告・納付します。e-Taxを利用すれば、自宅から手続きが完了するのでおすすめです。
私も利用していますが、書類作成の手間が省けるだけでなく、還付金も早く受け取れるので助かっています。
e-Taxの利用には、マイナンバーカードとICカードリーダライタ、もしくはマイナンバーカード対応のスマートフォンが必要です。
【2025年版】確定申告 完全ガイド! 初心者でも安心! 書類作成からe-Tax申請まで徹底解説2-2. 住民税
地方税。前年の所得を基準に計算され、お住まいの自治体に納付します。「所得割」と「均等割」の合計額です。
前年の所得に連動するため、住民税の額を見て、前年の事業の成果を振り返る良い機会にもなります。
地方自治体の運営に必要な財源となるため、住民にとって重要な税金です。
所得割は、所得に応じて金額が変動しますが、均等割は所得に関係なく一定額を支払います。
地方自治体から送付される納付書に基づき、年4回または一括で納付します。金融機関やコンビニエンスストアなどで納付できます。
2-3. 事業税
地方税。特定業種を営む個人事業主に対して課税されます。事業所得が290万円以下の場合は非課税です。ライター、漫画家、翻訳者、農業従事者、スポーツ選手などは非課税業種に該当します。
業種によって課税対象か否かが変わるため、自分がどの業種に該当するのか、事前に確認しておくことが重要です。
この税金は、地方自治体における事業活動に対する課税であり、地方自治体の財源となります。
税率は業種によって異なります。都道府県によって税率が異なるため、自分が事業を営む都道府県の税率を確認する必要があります。
都道府県から送付される納税通知書に基づき、原則として年2回(8月と11月)納付します。納付した事業税は経費として計上できます。
2-4. 消費税
国税と地方税の合算。年間の課税売上が1,000万円を超える事業者(課税事業者)が納税義務を負います。インボイス制度導入により、免税事業者でも請求書に消費税額を記載できるようになりました。
免税事業者の場合、消費税の納税義務はありませんが、インボイス制度に対応することで、取引先との関係を良好に保てるというメリットがあります。
消費税は、商品やサービスの提供に対して広く課税されるため、国民生活に大きな影響を与える税金です。
免税事業者から仕入れた場合は、支払った消費税相当額を控除できません。課税売上高5,000万円以下の事業者は、簡易課税制度を選択できます。簡易課税制度を選択すると、計算が簡略化されるメリットがあります。
確定申告により申告・納付します。中間申告が必要な場合もあります。税込経理方式の場合は、支払った消費税は「租税公課」として経費計上できます。原則として、赤字であっても納税義務があります。
3. 個人事業主のための節税対策
節税は、合法的に税負担を軽減する有効な手段です。以下に、個人事業主が実践できる3つの主要な節税対策をご紹介します。これらの節税対策を適切に行うことで、事業の資金繰りを改善し、更なる発展に繋げることができます。
3-1. 経費の漏れのない計上
事業に関連する支出は、たとえ少額でもすべて経費として計上しましょう。
カフェで仕事をした際のコーヒー代なども、立派な経費です。塵も積もれば山となるように、小さな経費も見逃さないようにしましょう。
領収書などをきちんと保管し、プライベートな支出と混同しないように注意が必要です。家賃や光熱費など、事業とプライベートで兼用している場合は、按分して事業利用分のみを経費計上します。消費税、固定資産税、事業税なども経費に計上できます。
クレジットカードや会計ソフトを活用すると、経費管理がスムーズになります。クラウド会計ソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携できるため、入力の手間を大幅に削減できます。
私も活用しており、経費管理の効率化に大きく貢献しています。freeeやマネーフォワードクラウド会計など、様々なクラウド会計ソフトがあるので、自分に合ったものを選びましょう。
3-2. 控除の活用
所得控除を利用することで、課税所得を減らすことができます。国民年金保険料、国民健康保険料、iDeCo拠出金、小規模企業共済掛金、経営セーフティ共済掛金、生命保険料、一定額以上の医療費などが所得控除の対象です。
控除制度は種類が多いため、自分に適用できる控除をしっかり確認することが大切です。
税務署のウェブサイトや、税の専門家である税理士に相談することで、見落としを防ぐことができます。
控除を受けるためには、必要な書類を揃えて、確定申告時に提出する必要があります。
3-3. 青色申告の実施
青色申告を行うと、最大65万円の青色申告特別控除が受けられます。複式簿記での記帳が必要ですが、節税効果は大きいため、積極的に検討しましょう。青色申告は、節税効果が高いだけでなく、事業の経営状況を把握しやすくなるというメリットもあります。
きちんと帳簿をつけることで、事業の収支を明確化し、今後の経営戦略に役立てることができます。
青色申告を行うためには、事前に税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。
4. 節税に役立つツール
4-1. 事業用クレジットカード
事業用クレジットカードは、経費の管理を容易にし、節税にも役立ちます。
クレジットカードを利用することで、経費の支払いを一括管理でき、明細書も発行されるため、確定申告の準備が楽になります。
4-2. 事業用口座
個人事業主用の事業用口座があるとプライベートと区分できるなどメリットが多くあります。
フリーランスにおすすめの事業用口座10選|選び方やメリット・デメリットを徹底解説5. よくある質問
個人事業主の税金に関するよくある質問をまとめました。
5-1. 白色申告と青色申告、どちらがお得ですか?
A. 一般的に、青色申告の方が節税メリットが大きいです。最大65万円の青色申告特別控除を受けられるほか、赤字を3年間繰り越せるなどの特典があります。
ただし、複式簿記で記帳する必要があるため、ある程度の会計知識が必要となります。白色申告は記帳が簡易ですが、節税メリットは少なくなります。どちらを選ぶかは、事業規模や会計知識、かける時間などを考慮して判断しましょう。
私自身は、青色申告のメリットを享受するために、クラウド会計ソフトを利用して複式簿記に挑戦しています。
5-2. 経費として認められるものは何ですか?
A. 事業に直接関係する費用であれば、経費として計上できます。例えば、仕入代金、家賃、光熱費、通信費、交通費、広告宣伝費、接待交際費などが挙げられます。
ただし、プライベートな費用を経費として計上することはできません。領収書や請求書などを保管しておき、経費とプライベートな費用の区別を明確にしておくことが重要です。
5-3. 税理士に依頼するといくらぐらいかかりますか?
A. 税理士への報酬は、依頼する業務内容や事業規模によって異なります。顧問契約を結ぶ場合は、月額数万円から数十万円が相場です。確定申告のみを依頼する場合は、数万円から十数万円程度が目安となります。
税理士に依頼することで、節税対策のアドバイスを受けられたり、複雑な税務処理を任せたりすることができるので、事業に専念できるというメリットがあります。費用対効果を考慮して、依頼するかどうかを判断しましょう。
【起業家必見】税理士の顧問料相場を徹底解説|サービス内容・選び方・節税メリットまで5-4. 消費税の納税義務はいつから発生しますか?
A. 2年前の課税売上が1,000万円を超えた場合、その翌々年から消費税の納税義務が発生します。例えば、2022年の課税売上が1,000万円を超えた場合、2024年から納税義務が発生します。
ただし、インボイス制度に登録した場合は、2年前の売上高に関係なく、登録した年から課税事業者となり、消費税の納税義務を負います。
5-5. 家事按分とは何ですか?
A. 自宅の一部を事業用として使用している場合、家賃や光熱費などの家事関連費を、事業用とプライベート用に按分して、事業用部分を経費として計上することを家事按分といいます。
按分割合は、事業に使用しているスペースの割合や時間で計算します。例えば、自宅の1/3を事務所として使用している場合は、家賃の1/3を経費として計上できます。
6. まとめ:適切な節税で事業の成長を促進
税金は、個人事業主にとって大きな負担となります。しかし、税金の種類や計算方法、節税対策などを理解することで、負担を軽減し、事業の成長につなげることができます。この記事で紹介した内容を参考に、積極的に節税に取り組んでいきましょう。
特に、青色申告と経費の漏れのない計上は、大きな節税効果が期待できるので、ぜひ実践してみてください。
節税は、事業の成功に欠かせない要素です。