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法人口座を開設するには、銀行側での審査を受ける必要がありますが、銀行の審査は厳しく、特に創業間もない企業の場合、審査落ちしてしまうケースも少なくありません。
実は、法人口座の審査基準は銀行によって大きく異なります。メガバンクは確かに審査が厳しい傾向にありますが、ネット銀行や信用金庫の中には、創業間もない法人でも比較的開設しやすい銀行があります。
そこで、本記事では、法人口座の審査で銀行が見ているポイント、そして審査通過率上げるための対策に加えて、都市銀行や地方銀行、ネット銀行などで実施される審査の特長を詳しく紹介していきます。
法人口座が審査落ちする理由|銀行担当者が見ている審査ポイント
銀行は、法人口座を開設することで、 マネーロンダリング(資金洗浄)や不正利用 などのリスクを負うことになります。そのため、「信頼できる法人であるか」を厳しく審査します。ここでは銀行担当者が見ている審査ポイントを4つご紹介します。
1.法人の住所が不一致
銀行に提出する書類に記載された住所が、 登記簿謄本の住所と一致しない場合、審査落ちの原因となる可能性があります。
さらに、 法人登記上の住所と実際に事業を行っている場所が異なる場合も、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
銀行は、 会社が安定して事業を継続できるか を判断するために、 確固たる事業拠点があることを重視します。
もし、 引っ越し直後で事務所の家賃の支払い実績がない場合や、 バーチャルオフィス の住所で登記している場合は、「本当にその場所で事業を行っているのか」と疑念を抱かれ、審査が厳しくなる傾向です。
実際に事業活動を行っていることを証明するために、 事務所の賃貸契約書や取引先との契約書などを提出を求められる場合があります。
賃貸契約書を提出できない場合は、 「会社が実態のないペーパーカンパニーではないか」 、「口座開設後に所在不明になるのではないか」 といった不安を銀行に与えてしまうため、審査落ちのリスクが高まります。
法人口座開設をスムーズに進めるためには、登記上の住所と実際の事業場所を一致させ、 賃貸契約書をきちんと準備しておきましょう
2. 健全な事業内容か
事業内容が不明瞭な場合、銀行は 口座の不正利用を懸念し、審査落ちとなる可能性があります。
近年、金融業界では、法人口座が 反社会的勢力との取引やマネーロンダリング(資金洗浄)などの不正行為に利用される事件が発生しており、国際的にも日本の金融機関の審査体制の甘さが指摘されてきました。
そのため、各銀行は 事業内容の審査基準を厳格化しており、「正当な事業であること」を明確に示すことが、審査通過の必須条件となっています。
たとえ実際には真っ当なビジネスを行っていたとしても、銀行の担当者に事業内容が正しく伝わらない場合は、審査を通過するのは難しくなります。
審査通過率を上げるためには、 第三者が見ても理解できるように、事業内容を具体的に説明することが重要です。
例えば、下記のようなポイントを盛り込むと良いです。
- どのような商品・サービスを提供しているのか
- ターゲット顧客は誰か
- 収益モデルはどのようなものか
- 競合との差別化ポイントは何か
事業内容が多岐にわたり、説明しきれない場合は、 会社の主となる事業内容を一つだけ申告する 方法も有効です。 銀行は、「開設した口座が適切に利用されるのか」 を審査しています。事業内容を明確に示すことは、 銀行の不安を解消し、 信頼を得るために不可欠です。
3. 代表者の信用情報
法人口座開設の審査では、会社の財務状況や事業計画だけでなく、 代表者自身も審査の対象となります。銀行は、代表者の経歴や実績、信用情報などを総合的に判断し、「信頼できる人物であるか」を見極めているためです。
面接や提出書類を通じて、銀行は代表者の人物像を把握しようとします。過去の職務経験や事業実績、保有資格などは、 事業遂行能力や経営者としての資質を判断する材料となります。
特に、銀行が最も警戒するのが 反社会的勢力との関わりです。暴力団などの反社会的勢力とのつながりがあると、審査落ちしてしまう可能性が非常に高くなります。過去に反社会的勢力との取引があった、あるいは疑わしいと判断された場合、法人口座の開設は極めて困難になります。日頃から、取引相手については慎重に見極め、健全な事業活動を心がけることが大切です。
また、 過去の金融事故も審査に影響します。過去に自己破産や任意整理などの経験があり、銀行から融資の返済減免を受けている場合、その銀行で法人口座を開設することは難しくなります。
- 代表者自身の経歴も審査の対象になる
- 取引相手は慎重に見極める
4.資本金が少なすぎる
資本金が少なすぎると、審査落ちしてしまう可能性があります。なぜなら、資本金が少ない会社は、 事業を行うための資金力が乏しいと判断され、「実態のない会社(ペーパーカンパニー)」と疑われやすいためです。
資本金とは、会社が事業を始めるために必要な元手となる資金のことを指します。法律上は1円でも会社設立は可能ですが、銀行は 健全な事業運営 を行えるだけの資金力があるかどうかも審査の対象とするため、資本金1円の会社では審査を通過するのは難しいです。
一般的に、法人口座開設の審査では、100万円以上の資本金があると安心と言われています。資本金について詳しく理解したい方は下記記事で解説しています。
例えば、小規模なECサイト運営であれば100万円でも十分かもしれませんが、製造業や飲食店など、初期費用がかかる事業であれば、より多くの資本金が必要となります。
- 資本金は100万円用意できると望ましい。
- 資本金1円は避けましょう
法人口座の審査落ちを防ぐための事前準備
法人口座の審査落ちを防ぐためには、事前の準備が重要です。前章で解説した審査ポイントを踏まえ、 この章でご紹介する事前準備を整えておくことで、 審査通過率を高めることができます。
1. 提出書類の不備をなくす準備
法人口座の審査では、様々な書類の提出が求められます。記入漏れや誤字脱字、必要書類の不足など、 提出書類に不備があると、審査が遅延したり最悪の場合、審査落ちしてしまう可能性があります。
特に、 印鑑の押し忘れや日付の記入漏れなど、些細なミスでも、審査に影響を与える可能性があるので注意が必要です。
【開設に必要となる提出書類のチェックリスト】
- 法人設立届出書
- 登記事項証明書(履歴事項全部証明書)
- 印鑑証明書
- 代表者の本人確認書類
- 銀行印
- 事業計画書
- 会社のパンフレットやホームページ
- 事務所の賃貸契約書
- 取引先との契約書や請求書
- 提出書類は、 銀行のホームページで最新の情報を確認し、漏れなく準備する。
- 記入漏れや誤字脱字がないか、 提出前に必ず確認する。
- 不明な点があれば、 銀行に問い合わせて確認する。
2. 事業の実態を示す資料を充実させる
銀行は「会社が本当に事業活動を行っているのか」を重視します。そのため、事業の実態を示す資料を充実させることが重要です。
- 事業計画書: 事業内容、ターゲット顧客、売上目標、収益モデルなどを具体的に記載した事業計画書を作成しましょう。
- ホームページ: 会社のホームページを作成し、事業内容やサービス、実績などを掲載しましょう。
- パンフレット: 会社やサービスを紹介するパンフレットを作成しましょう。
- 名刺: 会社名、住所、電話番号、メールアドレスなどを記載した名刺を作成しましょう。
- 取引先との契約書: 実際に取引を行っていることを証明するために、取引先との契約書を提出しましょう。
- 請求書・領収書: 実際に取引が発生していることを証明するために、請求書や領収書を提出しましょう。
3.事業内容を明確に説明できるように準備する
銀行で法人口座を開設する際は、口座開設の申込をする法人代表者本人が、事前に説明の準備をしていくことになります。法人口座の開設では事業内容に問題はないかや提出書類への指摘など、あらゆる角度から審査されます。口座開設の申込をする本人が事業内容を説明できれば問題ありませんが、説明が曖昧だったり、自信なさげな態度だと銀行は不信感を抱き、「本当に事業を成功させる気があるのか?」 と疑問視してしまうかもしれません。
仮に審査に落ちてしまっても再申込はできます。下記対策をして根気強く対応していきましょう。
- 銀行担当者との対話を重ね、疑問点を徹底的に解消する
- 銀行の視点に立ち、事業計画をブラッシュアップする
- 会社のビジョンを熱く語り、熱意と誠実さを伝える
4. 信用情報を良好に保つ
金融機関の審査では、必ず 代表者個人の「信用情報」がチェックされます。過去に クレジットカードやローンの延滞 、 債務整理 などの履歴があると、審査に悪影響を及ぼす可能性があります。
- クレジットカードやローンの 支払いは延滞しないようにしましょう。
- 債務整理などの金融事故を起こしてしまった場合は、 信用情報機関に情報開示請求を行い、自分の信用情報を確認し、 誤った情報があれば訂正手続きを行いましょう。
- 複数のクレジットカードを保有している場合は、 必要最低限のカードに絞り、利用状況を見直し ましょう。
5. 紹介を受ける
銀行の口座開設が難しい場合は、既にその銀行と取引がある人物に紹介してもらうのが効果的です。例えば、継続的に取引をしている法人経営者などに頼むと良いでしょう。信頼のある人物からの紹介は金融機関に対する信頼を得やすくします。
また、銀行の担当者が他の企業の経営者に紹介を依頼することもあります。そのような紹介を受けることで、口座開設の手続きがスムーズに進む可能性が高まります。
まだ起業準備中の方であれば、レゾナンスバーチャルオフィスにすると、法人口座の紹介をしてもらえます。下記記事で詳しく解説しています。
銀行によって変わる!法人口座開設の審査難易度
法人口座を開設するには、どの銀行でも審査は必須です。しかし、その審査基準は銀行によって大きく異なります。
そこで、今回は銀行の種類別に、審査の傾向や申し込み手続きの特徴を詳しく見ていきましょう。
実店舗型銀行:都市銀行・地方銀行・信用金庫
一般的に、都市銀行は他の金融機関と比べて、法人口座開設の審査基準が厳しく設定されています。特に、反社会的勢力とのつながりについては非常に敏感で、マネーロンダリング対策も年々厳格化しています。
そのため、都市銀行で法人口座を開設しようとすると、提出書類が膨大になるだけでなく、何度も店舗に出向いて書類を提出する必要が生じるケースも珍しくありません。
一方、地方銀行や信用金庫は、地域密着型の経営を重視しているため、都市銀行と比べて審査が通りやすい傾向があります。特に、設立間もない企業の場合、まずは都市銀行ではなく、地方銀行や信用金庫に口座開設の申し込みをしてみることをおすすめします。
下記記事では創業期におすすめの銀行口座の選び方を解説しています。
ネット銀行
実店舗を持たないネット銀行は、都市銀行や地方銀行と比べて口座開設の審査が比較的容易だと言われています。銀行の担当者と直接会う機会がないため、申し込み手続きはオンラインや郵送で完結し、スピーディーに進むというメリットがあります。
ただし、必要書類に不備があると審査が進まない場合もあるため、注意が必要です。事業計画書や取引実績を証明する書類など、事業内容を丁寧に説明する資料を漏れなく準備しておきましょう。
おすすめのネット銀行主要4社の比較を下記記事で詳しくまとめています。
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銀行によって審査基準や手続きの特徴が異なる点を理解した上で、自分に合った銀行を選び、しっかりと準備を進めることが、法人口座開設成功の鍵となります。
法人口座の審査に落ちた後…どうすればいい?
法人口座の審査に落ちてしまった場合でも、諦める必要はありません 。審査落ちの理由を分析し、適切な対策を講じることで、 再審査に通過できる可能性 があります。
1. 審査落ち理由を分析する
まずは、 銀行から審査落ちの理由を確認しましょう。銀行によっては、 具体的な理由を教えてくれない場合もありますが、 可能な限り情報収集することが大切です。
審査落ち理由を確認したら、 なぜ審査に落ちてしまったのか を分析しましょう。提出書類に不備があったのであれば、 書類を修正し、 再提出すれば、審査に通る可能性があります。
事業の実態が不明瞭であったり、 売上実績が乏しい場合は、 事業計画書や取引先との契約書などを充実させることで、審査通過率を高めることができます。代表者の信用情報に問題がある場合は、 信用情報機関に情報開示請求を行い、 自分の信用情報を確認し、誤った情報があれば訂正手続き を行いましょう。
2. 金融機関ごとの難易度を把握する
金融機関には多くの種類があり、それぞれで審査基準や難易度が異なります。一般的には、法人口座開設の難易度は信用金庫・信用組合、地方銀行、メガバンクの順に高くなります。個人口座をメインバンクとして利用していたり、規模の大きい会社を経営している場合は、法人口座の開設が比較的スムーズです。そうでない場合は、メガバンクより審査基準が緩やかな地方銀行や信用金庫での開設を検討すると良いでしょう。
地方銀行や信用金庫で口座開設を申請する際には、自社が地域に与えるプラスの影響を詳しく説明することで、担当者に共感を得やすくなり、口座開設の成功率が上がります。また、ネット銀行は審査が比較的緩く、オンラインや郵送で手続きが可能なので、スムーズに進むことが多いです。
ただし、必要書類に不備があると審査に進めません。書類の準備や事業説明書の作成には、入念なチェックが必要です。
3. 他の銀行を検討する
審査落ちした銀行の審査基準が、自分の会社に合っていなかった可能性もあります。そのため、他の銀行を検討することも有効な手段です。
上述した金融機関ごとの審査難易度を把握後、ネット銀行や信用金庫 など、 審査基準が比較的緩いと言われている金融機関を検討してみましょう。
4. 紹介してもらう
税理士や行政書士など、 法人口座開設に精通した専門家に相談することで、 適切なアドバイスをもらうことができます。
まだ起業準備中の方であれば、レゾナンスバーチャルオフィスにすると、法人口座の紹介をしてもらえます。
レゾナンスバーチャルオフィスについては下記記事で詳しく解説しています。
まとめ
法人口座の審査は厳しく、審査落ちしてしまうケースも少なくありません。
しかし、 審査落ちの理由を理解し、適切な対策を講じることで、法人口座開設の可能性を高めることができます。
諦めずに、もう一度チャレンジしてみましょう!
法人口座開設に不安や疑問がある場合は、専門家のアドバイスを受けることも有効です。
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この記事があなたの法人口座選びの手助けになれれば幸いです。