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個人で事業を始めると、売上が増えるほど「税金が高い…」と感じる場面が必ず出てきます。しかし、正しい知識を持ち、合法的な方法で節税対策を講じれば、納める税額を最小限に抑えて手元資金を増やすことができます。
例えば、青色申告の65万円控除、小規模企業共済やiDeCoによる掛金控除など、仕組みを理解して活用するだけで年間数十万円単位の差が出ることも珍しくありません。
本記事では、個人事業主が押さえるべき基本の税金から具体的な節税方法までを体系的に解説します。これから起業・開業する方、副業から独立を目指す方にとって必ず役立つ内容ですので、ぜひ参考にしてください。
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個人事業主が負担する主な税金と節税の基本
所得税・住民税・個人事業税
個人事業主が避けて通れないのが「所得税」と「住民税」。
所得税は累進課税で5〜45%、住民税は一律10%程度。さらに業種によっては個人事業税(年290万円超に3〜5%)もかかります。
所得税 | 累進課税(最大45%+復興特別所得税) |
住民税 | 前年所得の約10% |
個人事業税 | 事業所得290万円超で3〜5%課税 |
消費税・その他の税金
売上1,000万円を超えると消費税の課税事業者に。インボイス制度対応も必要です。その他に印紙税、固定資産税、自動車税などが発生するケースもあります。
消費税 | 課税売上1,000万円超で納税義務 |
印紙税 | 契約書等に課税 |
固定資産税 | 事業用資産にかかる税金 |
節税の基本原理
節税の基本は「課税所得を減らすこと」。経費計上と控除活用が柱です。
- 経費を正しく漏れなく計上する
- 控除を最大限利用する
- 将来のための共済・年金制度も活用
節税対策10選|個人事業主が今すぐできる実践法
青色申告で最大65万円の控除を得る
青色申告は、個人事業主が活用すべき代表的な節税制度です。複式簿記とe-Tax対応など条件を満たせば、最大65万円の控除が得られます。
- 複式簿記+e-Taxで 65万円控除
- 赤字の繰越控除(最長3年)
- 青色事業専従者給与で家族給与を経費化
- 30万円未満資産を一括経費化

僕自身、開業2年目に青色申告に切り替えただけで納税額が数十万円下がりました。会計ソフトを使えば初心者でも十分対応できると実感しています。
経費を漏れなく計上する
事業に関する支出は全て経費になります。少額でも漏れなく計上することが節税の基本です。
- 通信費・家賃・交通費・交際費などが主な経費の例。
- 印紙税や個人事業税も「租税公課」で経費化可能
- レシート・領収書は必ず保管
- 「これは経費か?」を常に意識

初年度は開業にかかった費用や交通費。消耗品を経費に入れ忘れていて、あとから振り返ると大きな損失でした。小さな支出も必ず記録する大切さを身をもって学びました。
家事按分を活用する
自宅や車を仕事と兼用している場合は「合理的な割合」で按分し、経費化できます。
自宅兼事務所 | 面積比で家賃・光熱費を経費化 |
自家用車 | 走行距離比でガソリン代等を経費化 |
スマホ代 | 業務利用率で按分 |
- 按分割合の根拠資料を残こしておこう!
30万円未満の資産を一括で経費にする
本来は減価償却が必要な資産も、30万円未満なら購入年に一括経費にできます。
- 青色申告なら「30万円未満資産特例」適用可能
- 年間合計300万円まで
- 10万円未満は白色でも即経費化
- 年末購入のタイミングで効果を高める
経営セーフティ共済(倒産防止共済)
掛金が全額経費になる国の制度。万が一に備えながら節税が可能です。
- 月5,000円〜20万円まで積立可
- 掛金全額が経費扱い(年間240万円まで)
- 掛金の10倍まで無担保融資可能
- 解約時課税=「税金の繰延べ」効果
所得控除をフル活用する
個人事業主も利用できる控除を網羅的に適用することで、大幅な節税が可能です。
- 基礎控除:48万円
- 配偶者控除・扶養控除
- 社会保険料控除(国保・年金など)
- 生命保険料控除・医療費控除
- 小規模企業共済やiDeCo掛金控除
経費や控除をしっかり活用しても、「結局どこまで自分で対応できるのか?」と悩む個人事業主は多いです。専門家に依頼する場合は費用もかかりますが、価格に見合った価値を提供してくれる税理士を見つけることが重要です。
最適な選び方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
【失敗しない】税理士の選び方完全ガイド|起業家が見るべき7つのポイント

小規模企業共済で退職金準備+節税
個人事業主の退職金制度。掛金は全額控除となり、老後資金準備と節税を両立できます。
- 月1,000円〜7万円まで掛金設定可
- 年84万円まで所得控除対象
- 税率20%なら年間約17万円節税効果
- 短期解約は元本割れリスクあり
iDeCoで老後資金を積み立てる
自営業者が利用できる年金制度。掛金は全額控除、運用益も非課税です。
- 月最大68,000円(年81.6万円)まで拠出可
- 掛金全額が控除対象
- 運用益も非課税で再投資可能
- 原則60歳まで引き出せない制約あり
ふるさと納税で実質負担2,000円
返礼品を受け取りつつ、税控除を得られる制度です。
- 自己負担は2,000円のみ
- 所得税・住民税控除対象
- 個人事業主は確定申告必須(ワンストップ不可)
- 寄付上限額は所得や家族構成で変動
法人化(法人成り)を検討する
利益規模が大きくなると、法人化によって税負担が軽減されるケースがあります。
- 年800〜900万円超の所得で法人化が有利な目安
- 法人税率は約30%、軽減税率15%もあり
- 消費税免税期間をリセット可能
- 設立費用や社会保険料の負担増に注意
下記記事で法人成りについては詳しくまとめています。【2025年最新版】法人化のベストタイミングと判断基準|個人事業主からスムーズに移行するコツ
実際に法人化を検討中の方は タチアゲ起業コーディネーターを活用すれば、無料で起業相談が可能です。
節税に取り組む際の注意点
節税は個人事業主にとって欠かせない経営戦略のひとつですが、間違った方法を取ってしまうと「節税」ではなく「脱税」になってしまうリスクもあります。
大切なのは、合法的かつ持続可能な方法で取り組むことです。ここでは注意しておきたい4つのポイントを解説します。
プライベートな支出を経費に入れたり、売上を申告しなかったりするのは違法行為です。後から税務署に指摘されれば追徴課税や延滞税が発生し、結局は損をします。
領収書やレシート、契約書類などは最低7年間の保存義務があります。曖昧な申告を避けるためにも、日頃から整理整頓を習慣化しましょう。クラウド会計ソフトを使えば管理が格段に楽になります。
税制は毎年のように変わります。控除額の増減や特例の新設・廃止など、自分が使える制度が変わっている可能性があるため、常に最新情報を確認しましょう。
共済やiDeCoなどは節税効果が高い一方で、資金が拘束されます。手元資金が不足すると本業の運転資金に支障が出るため、無理のない範囲で活用することが大切です。

僕自身も「節税のために積み立てすぎて手元資金が減り、広告費を抑えざるを得なくなった」経験があります。節税はあくまで経営戦略の一部であり、資金繰りとセットで考える必要があると痛感しました。
まとめ
ここまで、個人事業主が実践できる節税対策を紹介しました。
本記事のまとめ
節税は単なる「お金を守る方法」ではなく、事業拡大のための原資を確保する戦略です。
今日から実践できるものを一つでも取り入れ、賢くお金を守りましょう。