- 法人口座を作れる金融機関の特徴と選び方が分かる
- 創業期におすすめの法人口座が分かる
会社を作った直後、必要になる「法人口座」。企業間や銀行との取引では必要不可欠であり、それ以外でも従業員への給与振込や税金の支払いなど、様々な業務で必要となります。
法人口座にはネット銀行や実店舗を持つ銀行など、様々な種類があり、複数口座を持つことができますが、
選ぶ際には「振込手数料の安さ」「審査が通りやすい銀行」など、検討すべきポイントが多く、どこで口座を開設すればいいか迷う方も多いです。
そこで本記事では、これから起業を考えている方や創業初期の方向けに金融機関の選び方について解説します。ご自身の口座開設の際にご参考にしてください。
【結論】最適解は「目的を分けて複数口座を持つこと」
法人口座のベストな使い方は下記の図のように「メインとしてメガバンク or 地方銀行を利用し、一部の利用でネット銀行を利用する『2個持ち』」が理想です。
外部の取引先から振り込まれる入金用口座は、利用者が多く社会的信用が高い”メガバンク”を利用し、
従業員への給与等の支払い口座は、振込手数料が安い”ネット銀行”を利用すると経費削減になります。
デメリットは管理の手間が増えてしまう点です。
おすすめの法人口座ランキング7選!
創業まもない会社の多くは売上が立っていないケースが多いです。取引先も実績も少ないため、信用力を見るメガバンクの審査は難航しがちな傾向にあります。
そのためタチアゲでは、1つ目の法人口座に審査が比較的ゆるい「ネットバンク」を先に開設することをおすすめします!
その後同時並行で審査の期間が長い、メガバンクの手続きを進めることです。
1位と2位のGMOあおぞらネット銀行か住信SBIネット銀行を選んでおけば間違いないです!振込手数料は業界で最も安く、審査もオンライン上で完結できます。
住信SBIネット銀行
他行口座への振込手数料が145円と業界最安値の水準。また口座開設の手続きがスマホからでき、審査に必要な書類提出も代表者の免許書のみで進められるので創業期に1つ持っておきたい銀行口座です。
サービス名 | おすすめ度 | 特徴 | 振込手数料 (他行あて) | 信用力 | 口座開設期間 | 必要書類 |
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【第1位】 | 振込手数料は業界最安値水準。創業期における最有力の法人口座 | 3万円未満:145円、3万円以上:145円 | △ | 最短即日 | ・代表者の本人確認書類、事業内容が確認 | |
【第2位】 | コスト面がかなりの高評価!資金需要にも強いのが魅力 | 3万円未満:145円、3万円以上:145 | △ | 最短翌営業日 | 口座開設申込書、代表者の本人確認書 | |
【第3位】 | 何時でも当日扱いで振込できるのが魅力!コスト面も優秀 | 3万円未満:160円、3万円以上:160 | △ | 3〜10日 | 口座開設申込書、代表者の本人確認書 | |
【第4位】 | ネットバンキングが無料で利用可能。資金移動のサービスも豊富 | 3万円未満:150円、3万円以上:22 | △ | 2週間程度 | 口座開設申込書、代表者の本人確認書 | |
【第5位】 | 当日振込の時間が長いのが魅力。他行あての振込手数料も割安 | 3万円未満:165円、3万円以上:165 | ○ | 1か月程度 | 口座開設申込書、代表者・来店者の本人 | |
【第6位】 | 使いやすさは申し分ない。振込手数料が高めなのがネック | 3万円未満:484円、3万円以上:66 | ○ | 4週間程度 | 口座開設申込書、代表者または来店者の | |
【第7位】 | 使いやすさは優秀な成績。振込手数料は高く経費削減には不向き | 3万円未満:490円、3万円以上:66 | ○ | 1〜2週間程度 | 口座開設申込書、代表者または面談者の |
法人口座とは
法人口座とは「金融機関の名義が会社名になっている口座」のことを指します。
法人口座は、会社を作ったら必ず口座開設をしなければならない義務はありません。しかし、信頼が何よりも大切な法人間での取引には法人口座での取引が必須といっても過言ではありません。
そもそも何のために法人口座を作るのか?
それは、取引先や銀行などから社会的信用を得るためです。
法人口座の開設は義務ではありませんが、法人口座を作れば取引先や銀行から信用・信頼を得られます。
個人名義で会社と取引を行うと、取引先から「個人事業主なのか?」と思われてしまいます。取引先の中には「法人でないと取引を行いたくない」というような会社も多く存在しますので起業後はすぐに法人口座開設に動きましょう。
一般口座との違い
一般口座と法人口座の大きな違いは、開設までの時間です。一般口座は、その日のうちに開設できるのに対し、法人口座は「実在する法人であること」や「休眠会社ではないこと」など金融機関側での審査が伴うため、一般口座と比べて口座開設までに時間を多く要します。
法人口座が作れる金融機関は5つある
金融機関と一言に言っても、その種類は5つあります。それぞれ振込手数料や口座維持手数料、サービス内容などが異なります。ここでは5つの金融機関の特徴を解説します。
各メリットデメリットを理解し、自分に合った法人口座を検討しましょう。
法人口座①:都市型銀行(メガバンク)
都市型銀行とはメガバンクとも呼ばれ、全国に支店を展開しているのはもちろんのこと、アジアをはじめ欧米にも支店や提携銀行を持ち、グローバルなネットワークを構築している銀行です。代表的なメガバンクは以下の通りです。
- みずほ銀行
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- りそな銀行
■メリット
全国展開している都市銀行はネームバリューが高いです。取引先銀行にすることで得られるメリットは下記が挙げられます。
- 会社の信用力が向上する
- 全国に支店がある
- 高額な融資にも対応可能
- 海外への振り込みに対応している
■デメリット
都市銀行は、高い信用力を持つ一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 法人口座開設の審査が厳しい
- 口座維持手数料が高い傾向がある
- 融資取引には、一定の企業規模が求められる
- 一部の都市銀行では、銀行口座での振込手数料が高い
担当者が転勤する可能性があり、長期的な関係を築きにくい
法人口座②:地方銀行
地方銀行とは、地域密着型の銀行です。特定の地域に限定して店舗を展開しています。都民あるいは事業所が都内にある場合は、「きらぼし銀行(旧:東京都民銀行)」がおすすめです。
■メリット
- 市銀行に比べて親身に相談にのってもらえる
- 地域企業への融資に積極的
- 特定の地域では信用力がある
- 融資の意思決定が早い
■デメリット
- 別の地方に行った際に利用できない
- 都市銀行に比べて知名度が低い
都内に住んでいる、あるいは都内に事業所がある場合は、「きらぼし銀行」がおすすめです。都内に300店舗以上の支店があり、法人口座開設の手続きが早いためです。
法人口座③:信用金庫
信用金庫とは、地域繁栄を目的とした協同組織の金融機関です。特定地域の住民や事業者による出資で運営されており、地域密着型のサービスを提供しています。支店の数は「城北信用金庫」と「城南信用金庫」が二強で、下記の店舗数を保有しています(※2022年3月末時点)。
- 城北信用金庫「90店舗」
- 城南信用金庫「86店舗」
■メリット
- 設立間もない企業や規模の小さな企業にも親身に相談にのってもらえる
- 都市銀行に比べて、法人口座開設しやすい
■デメリット
- 自宅あるいは事業所最寄りの支店以外では、口座開設の審査に通らない
- 融資を受けるには、原則として信金会員になる縛りがある
法人口座④:ゆうちょ銀行
ゆうちょ銀行は郵便局の民営化により誕生した金融機関です。最大の特徴は、郵便局で金融商品の手続きが可能であることです。そのため、全国の郵便局で利用することができます。また預入額に上限があり、1,300万円を超える金額は預け入れができません。
■メリット
- 普通預金の口座維持手数料は無料
- ゆうちょ銀行のATMでの現金引き出しが無料
- 法人税の電子納税に対応している
- 全国に郵便局があるため、どこでも利用できる
- 顧客からの振込口座として使いやすい
■デメリット
- 無料のインターネットバンキング「ゆうちょダイレクト」を使った1日当たりの送金限度額が5万円(追加設定により最大1,000万円にできる)。
- 個人向けの金融サービスに特化しており、法人向けのサービスは充実していない
法人口座⑤:ネット銀行
ネット銀行(ネットバンク)とは、インターネットや電話等の通信手段を活用した取引がメインの銀行を指します。実店舗数が少ない、または1店舗も存在しない代わりに、24時間365日ネットで様々な取引ができるという特徴があります。
代表的なネット銀行は以下の通りです。
- GMOあおぞらネット銀行
- 住信SBIネット銀行
- 楽天銀行
- PayPay銀行(旧ジャパンネット銀行)
■メリット
- 振込手数料が安い
- インターネットバンキング・口座維持手数料がかからないことが多い
- 24時間365日利用可能
- スマホアプリで簡単に操作できる
■デメリット
- 店舗が無いため、対面での相談ができない。
- メガバンクや地方銀行と比べて取引先からの信頼度が低い。
法人口座の選び方
おすすめの金融機関は、企業の状態や目的により異なります。口座開設までの早さや、利用にかかる各種コスト、利用時間などのほかに以下のような点もチェックしてみると良いでしょう。
取引先からの信用が必要か?
取引先の信用が必要な人はメガバンクや地方銀行の利用がオススメです。
メガバンクに代表されるみずほ銀行、三菱UFJ銀行、三井住友銀行や地方銀行は利用社も多く信用度は増します。
大きな融資が必要か?
多くの金融機関で融資やビジネスローンを提供していますが、金融機関によって借入できる金額が大きく異なります。例えば1憶円以上の大きな借入が必要な場合は、ネット銀行では対応できませんのでメガバンクを選択すると良いです。
口座開設までのスピードを重視するなら
口座開設までのスピードを重視する方はネット銀行がオススメです。
実店舗型の銀行だと2週間〜1か月ほどかかる場合が多いですが、ネット銀行では最短で即日開設ができ、長くても2週間ほどで口座開設が完了します。
また担当者と対面で面談する必要がなく、口座開設に必要な審査をオンライン上で完結できる利便性があります。
素早く開設するならネット銀行がおすすめです。
創業したばかりでまだ実績がない
創業したばかりの時におすすめの銀行は信用金庫とゆうちょ銀行がオススメです。信用金庫はお金まわりはもちろん、経営面の相談にも親身に乗ってくれます。ゆうちょ銀行は口座維持費用がかからないため、ランニングコストを抑えられます。お金がない起業初期には優しい金融機関です。
デメリットは「管理の手間がかかる」点です。
法人口座開設に必要なものは?
法人口座を開設する際に必要な3つのものは、どこの金融機関でも必ず必要になるものです。
今回紹介する3つのもの以外にも、金融機関によって異なるので、自分が開設する予定の金融機関のWEBサイトを事前にチェックして、準備に取り掛かりましょう。
必要なもの①:履歴事項全部証明書
履歴事項全部証明書とは、会社所在地や法人番号、登記年月日、事業内容、資本金額など、会社設立時に関わる全ての法人基本情報が記載されている書類です。履歴事項全部証明書は全国の法務局で発行可能です。
金融機関への提出では、一般的に発行日から3ヶ月以内のものが必要になります。
必要なもの②:会社の銀行印
銀行印は、株式会社や合同会社、社団財団法人等の会社が法人口座を開設する際に、金融機関への届け出る印鑑のことです。
銀行印は、開設後も金銭を動かすときなどに使う重要な印鑑です。一般的な法人印鑑3本セット(実印・銀行印・角印)の相場は約2万円前後となっています。
会社の印鑑のご準備がまだの方は、はんこプレミアムさんの法人印鑑3点セットがおすすめです!
必要なもの③:公的な代表者の身分証明書
口座を開設する法人代表者の身分証明書も必要になります。氏名・住所・生年月日が記載された顔写真付きの本人確認資料を用意します。主な身分証明書の種類は、運転免許証やパスポート、マイナンバーカード、在留カード・特別永住者証明書などがあります。
「どのような事業を行うのか」を証明できる書類と、本社所在地で実際に事業を行っていることが確認できる書類やものを持参しておくと安心です。用意しておくと金融機関の担当者に信頼感や誠実さといった好印象を与えることができます。
- 事業計画書
- 取引先との契約書
- オフィスの賃貸契約書
- 定款
- 印鑑証明書
- チラシやパンフレット
まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は創業期におすすめの法人口座ランキング7選と選び方についてご説明致しました。
創業まもない会社の多くは売上も取引先の実績も少ないため、信用力が弱いため、審査の厳しいメガバンクは難航しがちな印象です。
そのためタチアゲでは、1つ目の法人口座に審査が比較的ゆるい「ネットバンク」を先に開設することをおすすめしました。
また取引先との口座には、信用力のあるメガバンクを売上の入金口座として使うとよいです。
従業員や業務委託先など、あなたが支払う立場の場合は支払手数料の安いネットバンクを使うとコスト削減できます。
最後にランキングを振り返ります。
1位と2位のGMOあおぞらネット銀行か住信SBIネット銀行を選んでおけば間違いないです!振込手数料は業界で最も安く、審査もオンライン上で完結できます。
住信SBIネット銀行
他行口座への振込手数料が145円と業界最安値の水準。また口座開設の手続きがスマホからでき、審査に必要な書類提出も代表者の免許書のみで進められるので創業期に1つ持っておきたい銀行口座です。
サービス名 | おすすめ度 | 特徴 | 振込手数料 (他行あて) | 信用力 | 口座開設期間 | 必要書類 |
---|---|---|---|---|---|---|
【第1位】 | 振込手数料は業界最安値水準。創業期における最有力の法人口座 | 3万円未満:145円、3万円以上:145円 | △ | 最短即日 | ・代表者の本人確認書類、事業内容が確認 | |
【第2位】 | コスト面がかなりの高評価!資金需要にも強いのが魅力 | 3万円未満:145円、3万円以上:145 | △ | 最短翌営業日 | 口座開設申込書、代表者の本人確認書 | |
【第3位】 | 何時でも当日扱いで振込できるのが魅力!コスト面も優秀 | 3万円未満:160円、3万円以上:160 | △ | 3〜10日 | 口座開設申込書、代表者の本人確認書 | |
【第4位】 | ネットバンキングが無料で利用可能。資金移動のサービスも豊富 | 3万円未満:150円、3万円以上:22 | △ | 2週間程度 | 口座開設申込書、代表者の本人確認書 | |
【第5位】 | 当日振込の時間が長いのが魅力。他行あての振込手数料も割安 | 3万円未満:165円、3万円以上:165 | ○ | 1か月程度 | 口座開設申込書、代表者・来店者の本人 | |
【第6位】 | 使いやすさは申し分ない。振込手数料が高めなのがネック | 3万円未満:484円、3万円以上:66 | ○ | 4週間程度 | 口座開設申込書、代表者または来店者の | |
【第7位】 | 使いやすさは優秀な成績。振込手数料は高く経費削減には不向き | 3万円未満:490円、3万円以上:66 | ○ | 1〜2週間程度 | 口座開設申込書、代表者または面談者の |
この記事があなたの法人口座選びの手助けになれれば幸いです。