【新規事業開発のプロ】株式会社Pro-D-use・岡島光太郎さんにインタビュー

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話し手のプロフィール

経営コンサルタント|株式会社Pro-D-use取締役副社⻑

岡島 光太郎

おかじま こうたろう

プロフィール

株式会社Pro-D-use取締役副社⻑ 兼 経営コンサルタント(Co-founder) 2009年:株式会社リクルート⼊社 2013年:Webマーケティングコンサル会社フロムスクラッチ(現データX社)に転職後、営業や新卒・中途採⽤の責任者を務める 2014年︓アソビュー株式会社に⼊社後、営業責任者、新規事業責任者を歴任 ※リクルート時代にはMVP・MVTなど個⼈・マネジメント賞を多数受賞。 その後、株式会社Pro-D-useを創業。取締役副社⻑に就任。 業種を選ばず成果を上げる営業の仕組み作り、財務⽀援、Webマーケティング全般を得意としている。 今まで担当してきた業種は「システム開発」「Webサービス」「HR Tech」「販売サービス」「スクール業」など多岐に渡る。

高校生の原体験から起業を決意

株式会社Pro-D-useについて教えて下さい

岡島さん
岡島さん

当社は、中小企業や中堅企業、ベンチャーに向けて、新規事業開発のコンサルティングや事業再生、事業承継のコンサルティングを行っています。組織体制は、業務委託の方を含めて20、30人程度です。

経営コンサルタントを目指したきっかけについてお聞かせください。

岡島さん
岡島さん

実は、経営コンサルタントになりたくてこの会社を創業したわけではありません。高校生の頃に原体験があるのですが、中小企業やベンチャー企業など、アピールがあまり上手ではないけれども、良い会社で埋もれているような企業に対してお役に立ちたいという気持ちがありました。

リクルートに入社した際も、その思いを持って入社し、その後、ベンチャー企業を2社経験した後に、現在の会社を立ち上げました。創業当時は「コンサルティングは最初の取っ掛かり」くらいで考えておりましたが、私たちが提供するコンサルティングサービスが想定よりも伸びたため、今は新規事業と事業再生のコンサルティングに注力しています。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

高校生の頃の原体験ってなんですか?

岡島さん
岡島さん

私の父の実家は北海道にあるのですが、高校生の頃に、よく祖父に連れられて毎年、地元の優良企業に連れてってもらっていました。よくある話ではありますが、とあるとても小さい工場に連れて行ってもらった時に、とても小さいネジを見せてもらったんです。

高校生の純粋な気持ちで「めちゃくちゃすごい」と思ったので、「社長、この小さいネジすごいね!」と話をしたら、社長が「すごいだろ。でも全然売れないんだよね」と言われたのがものすごく衝撃的でした。

平凡な高校生だった私からしても、その小さいネジを欲しい人はたくさんいそうだし、小さいネジを作れる技術もすごいのになと思って。それがずっとモヤモヤしてたので、翌年、祖父に「もう1回あそこの会社に行きたい」とリクエストすると、「あの会社か‥潰れたよ」と言われたんです。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

なるほど。すごい原体験ですね。

岡島さん
岡島さん

そんなに業績は悪くなかったらしいのですが、潰れた原因は「販売不振」と、「(今風にいうと)後継者不足」が問題だったようです。 その当時は、今みたいに「事業承継」なんてかっこいい言葉がなくて、跡継ぎがいなくてやめたって言われたんです。

なんかその時にすごい違和感を感じて。その後、大学に進学したのですが、高校生の頃の原体験があったので、在学期間中に地方創生みたいな活動もやっていました。でも、地方創生の活動は、その当時の私には「一時的な応急処置にしかならなくて、あんまり意味がないな」って感じてしまいまして。

その結果、やっぱビジネスの世界で何かやらなきゃダメかもなぁと思い、最初はリクルートに入社しました。リクルートでは、北は北海道、南は宮崎県と全国を飛び回って仕事をしていましたが、「自分がやりたいことを突き詰めるとリクルートではやり切れないかもしれない」と思って、ベンチャー企業2社経由して、今の株式会社Pro-D-useの創業するに至りました。

現場に入るコンサルティングが選ばれる理由

株式会社Pro-D-use様の力を入れているサービスを教えてください。

岡島さん
岡島さん

新規事業のコンサルティングに一番力を入れています。お客様の割合としては、7割ほどが新規事業系のお問い合わせになります。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

お問い合わせがくる会社の規模や業界、業種はどんな方が多いですか?

岡島さん
岡島さん

これが…バラバラでして、、、。上場企業からの問い合わせもあれば、個人事業主の方からも問い合わせが来ます。業界も非常に多岐にわたるので、業種も様々です。コンサルティング会社は業種特化しているところもありますが、弊社は「新規事業」や「事業再生」のような「ニーズ特化」をしているため、業種にはあまりこだわっていません。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

なるほど。新規事業を作る業者さんって、コンサルタントの方以外にも結構いるじゃないですか。事業会社の方としても。その中で選ばれているのがすごいなと思いました。

岡島さん
岡島さん

そうですね。起業当初から自分で競合調査を行って、「ウチと他社との差別化ポイントはどこか?」をしっかり研究した結果かなと思います。1つ例を挙げると、普通のコンサル会社さんって現場には入らないんですよ。それをやってしまうと、儲からないから。具体的に言うと、プランニング書いて終わりみたいな会社とか、資料作って終わりみたいなコンサルティング会社が多いんですよね。

岡島さん
岡島さん

ただ、ウチのスタイルは「現場に入るコンサルティング」をポイントにしています。あまり一般的ではないですが、弊社では実務も行うことを提案しており、それが強みの一つとなっています。「現場まで入ってきて実務もやるなんていうコンサル会社、Pro-D-useさん以外になかったよ」とは言われます。

ウチみたいな会社がないから、ウチにしか問い合わせができなかったみたいな人も結構多いんですよ。

株式会社Pro-D-use様ならではの強みについてお聞かせください。

岡島さん
岡島さん

先ほどお伝えした通り、「現場にも入る」「運用までやる」というところが強みです。

我々がターゲットにしているのは中小企業をメインにしています。上場企業のお客様からもお問い合わせはいただきますが、中小企業のお客様を主なターゲットとしていると、やはり「人手が足りない」という課題にぶち当たります。

岡島さん
岡島さん

新規事業を行いたいけれども、リソースが不足しており、従業員もあまり喜んでその業務を引き受けてくれないことがあります。その理由はもちろん様々ですが、従業員も積極的でない場合や、社長自身もなかなか動けない状況があると、実務も積極的やっててくれるところでないと、中小企業にとってはあまり意味がないんですよね。

そこで、ウチは、お客様に名刺を作っていただいて、その会社の従業員みたいな形で、外部パートナーを探したり、営業を代わりにやってあげたり、従業員さんのマネジメントまでやったりとか。そういうところまで入り込んでやるので、そこがお客様からご好評をいただいてますね。

株式会社Pro-D-use様のお客様はどういった方が多いですか。

岡島さん
岡島さん

ほとんどが経営者からです。中小企業が主なターゲットなので、社長さん自らがお問い合わせをいただくケースが非常に多くて。また、そのうちの2割くらいが大企業や大企業の子会社の新規事業担当者からの問い合わせをいただく形になることが多いです。

お客様とやり取りを行う際に心がけていることはありますか。

岡島さん
岡島さん

プロジェクトを進める際には、なるべく「お客さんが苦手そうだな」って業務なり仕事をを巻き取ることは意識しています。何が苦手そうかは、なんとなくお客さんの反応でわかるじゃないですか。「これ、やりたくなさそうだな」とか。そういった場合はこちら側で作業を巻き取ってあげて、とにかくプロジェクトを前に進めます。動かないと、そもそも結果は出ませんので。ただ、正直プランにもよります。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

なるほど。どういったプランがあるんですか。

岡島さん
岡島さん

4つのプランがあります。「ほぼ常駐役員プラン」、「並走役員プラン」、「事業部長プラン」、「働く顧問プラン」の4つです。ウチの会社は、他の会社に比べて少し特殊なのが、料金プランをサイトに載せているんですよ。

一般的にコンサル会社ってみんな載せてなくて。恐らく、個別見積もりしてるからなのかなぁとは思います。ただ、料金がグレーゾーンって、嫌じゃないですか?それもあって、ウチの会社では料金は包み隠さずに全部載せてます。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

分かりやすくていいですね。

岡島さん
岡島さん

そうですね。値段に差があるのは、こちらの稼働量によって月々の支払いが変わってくるため、そこは幅を持たせてます。

経営コンサルタントとして活動してきた中で嬉しかったエピソードをひとつ教えてください。

岡島さん
岡島さん

私のお客様で、9年ほどお付き合いがあるお客様がいらっしゃいます。 そのお客様からは、とんでもなく信頼をしてもらっていると感じています。例えば、 お客様が出張で3週間いない時もあるのですが、「数百万円ぐらいまでだったら、岡島さんの判断で決済してください」や「従業員には、『何かあったら、岡島さんに相談してね』って言ってあります」っていうぐらいまで割と信頼して任せて頂けているので、結構やりがいがありますよね。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

9年間!すごいですね。どれだけ岡島さまがお人柄としても、仕事のバリューとしても出されているのかが分かりました。

いい仕事をするコツは「ビジネスパートナーとお友達の間になること

経営者にとって、経営コンサルタントはどんな存在であると思いますか?

岡島さん
岡島さん

難しい質問なのでものすごく迷いますが、ビジネスパートナーとお友達の間ぐらいじゃないとダメ」かなと個人的には思っています。ビジネスパートナーだと、プライベートでは繋がりってないじゃないですか。でもウチの会社では、私だけでなくメンバーのクライアントさんもお付き合いが長い方が多くて。プライベートで土日にお客様とどこか遊びに行ったりするんです。

それがいいのかどうかは分かりませんが、「仲が良い」ということは結構重要なんだと思います。コンサルタントをやっていると、クライアントに結構きついことを言わなければいけないことってあるんですけど、そのシーンでも、揺るがない信頼関係があれば、キツいこと言っても、理解してもらえるんですよ。

岡島さん
岡島さん

お客さんの成果にコミットするんだったら、結構きついこととか、間違ってたら間違ってるって言わなきゃいけないんですが、ビジネスパートナーだけだと、「契約切られたらどうしよう」とか「これで気悪くさせたらなんか申し訳ないな」とかっていうのがあって。完全にはお客様のためになることを言えないと思うんですね。

でも、お友達感覚までいくとお客様のために良いことも悪いことも指摘するのに結構踏み込めるようになるので、お友達とビジネスパートナーの間ぐらいまでいって、コミットしないと、多分コンサルタントとしては結構難しいのかなと思っています。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

なるほど。お友達とビジネスパートナーの間というのがパンチラインでした。

岡島さん
岡島さん

経営コンサルタントに限った話ではないかもしれませんが、ビジネスって、割と人付き合いの側面が強いな思っています。頭がいいかどうかとか、すごい高度な戦略が描けるかどうかって、実はあんまり重要じゃないと思っています。どちらかというと、「人柄がいい」とか、「その人にだったら任せたい」と思われることがすごく大事じゃないかなと。

メンバーに伝える時にこの例え話を使うんですが、「0に何をかけても0」なんですよ。具体的に言うと、すごく頭が良くて、すごい戦略を描ける人がいても、めちゃくちゃ嫌なヤツだったら、その人の言うことは聞きたくないじゃないですか?そうすると、クライアントって行動しないわけですよ。でも行動に起こさなかったら結果は絶対出ないんですよ。

岡島さん
岡島さん

それぐらいだったら、40点ぐらいの戦略しか描けなくても、めちゃくちゃ良い人で、「この人のためだったらやってあげるか」って思われるぐらいの方がクライアントの行動が生まれるから結果が出ますよね。なんか人付き合いがすごく大事だと思うんですよね、コンサルタントって。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

あらゆる職種にも同じことが言えるなと思いました。

休日はどのように過ごしていますか?

岡島さん
岡島さん

家族と一緒に過ごすことがほとんどですね。息子と娘、そして妻と一緒にどこかへ出かけたり、近くの公園で遊んだりして、普通の休日を楽しんでいます。夜になってみんなが寝静まった後、仕事をして…みたいな。普通の人と一緒ですね。

「事業再生・事業承継」に比重を寄せていく

今後の展望についてお聞かせください。

岡島さん
岡島さん

新規事業や事業再生に悩むお客様をできるだけ多く支援するために、業務委託のパートナーさんを増やしたいと考えています。当然ながら、お客様に安心して任せられる人柄と専門性を持つ方々を集めて、お客様のプロジェクトの課題解決に取り組んでいくことで、規模を拡大していきたいと思っています。

岡島さん
岡島さん

ウチの会社に関しては、将来の展望を10年ほどのスパンで考えていますが、事業再生や事業承継の分野に比重を寄せていきたいと考えています。私は現在38歳であり、10年後には48歳になります。お客さんが、48歳の私に新規事業を任せたいかというと、ちょっと微妙じゃないですか。今はまだ38歳なので、経営者の方からするとまだまだ若いという印象があるので「若いから新規事業ができそうだね」という期待を寄せて頂けます。この印象ってめちゃくちゃ大事だと思ってて。

逆に、48歳になった時には、事業再生や事業承継を行っている方が見栄え的にはしっくりきますし、任せられると思うので。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

安心感がありますもんね。

岡島さん
岡島さん

逆に、現在の年齢で「事業再生や事業承継ができます」と言っても、お客様からすれば物足りない印象があるかと思いますので。少しずつ軸足や比重をそちらの方に寄せていきたいなと考えています。

最後にこれから起業・独立開業する人に向けてメッセージをお願いします。

岡島さん
岡島さん

起業・独立するのであれば、「専門性を磨いた方がいい」と私は思っています。器用貧乏にならない方がいいなと思います。私が創業した時は、割と器用貧乏で創業しているんですが、「お客様からすると何屋さんか分からないんですよね。 あなたから何を買っていいか分からない」。

最初のタイミングは、お客様を捕まえるのがすごく大変なので、そうなった時に、「エッジが立つような実績とか、経験とか。そういうものがないと、やっぱり起業とか独立しちゃダメだと思うんですよ。」

岡島さん
岡島さん

今は副業が割とオープンにできるようになったので、それこそ会社に所属しながら副業して、専門性を磨いたり、「これでお客さんが獲得できるんだ」というのが分かったタイミングで独立するのはいいと思います。

私のように、「若さと勢いで独立しちゃって最初苦労する」みたいなことはなるべく避けた方が良いと思っています。事前に入念に計画を立ててから独立するのがすごく大事だと思います。あと資金はちゃんと用意しといた方がいいと思います。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

差し支えなければ資金はどれぐらい用意しといた方がいいと思いますか。

岡島さん
岡島さん

何の業種を選ぶかによって大きく変わりますが、運転資金で半年から8か月分ぐらいは持っといた方がいいと思います。例えば製造業やることはあまりないと思うのですが、製造業や、モノを仕入れて販売する事業をやるなら、設備投資とは別に運転資金を半年から8か月分を用意した方が、より安全に事業を軌道に乗せることができると思いますよ。

株式会社タチアゲ代表 青木
株式会社タチアゲ代表 青木

本日はありがとうございました。

【取材先】株式会社Pro-D-useについて

岡島光太郎さんのプロフィールはこちらから