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起業したばかりの経営者にとって、法人口座の開設は最初の難関の一つです。どこで口座を開設するかによって、その後のビジネスの展開にも影響が出てくる可能性があります。
特にメガバンクは、その知名度と信頼性から「なんとなく安心」というイメージがある一方で、ネット銀行と比較して手数料が高いなどのデメリットも耳にするため、どちらを選ぶべきか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、メガバンクで法人口座を開設するメリットとデメリットを徹底的に解説します。さらに、ネット銀行との比較を通して、あなたのビジネスにとって最適な選択ができるよう、プロの視点から分かりやすく解説していきます。
法人口座選びは、ビジネスのスタート地点で重要な判断の一つ。この記事があなたの疑問を解消する一助となれば幸いです。
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なぜ法人口座開設が必要なのか?
そもそも、なぜ法人口座を開設する必要があるのでしょうか?個人口座ではダメなのでしょうか?
結論から言うと、事業を行う上で法人口座の開設は必須と言えます。その理由は主に以下の3つです。
社会的信用度の向上
法人口座は、会社名義で開設されるため、取引先や顧客からの信頼を得やすくなります。個人口座での取引は、会社としての信用度を下げ、ビジネスチャンスを逃す可能性もあります。
個人口座での取引は、個人の生活費と事業資金が混ざってしまい、取引先からの信用を損なうだけでなく、ご自身の経理処理も煩雑になります。
経理処理の効率化
事業用のお金と個人のお金を明確に分けることで、経理処理が格段に楽になります。会計ソフトとの連携もしやすくなり、税務申告もスムーズに行えます。
クラウド会計ソフトの普及に伴い、法人口座との連携は今や必須と言えるでしょう。会計ソフトについては下記記事で解説しています。
税務調査のリスク軽減
法人口座と個人口座を混同して使用していると、税務署から「私的流用」を疑われるリスクがあります。明確に区分することで、税務調査時のリスクを軽減できます。
税務調査は、会社にとって大きな負担です。日頃からしっかりと区分しておくことが重要です。
このように、法人口座はビジネスを行う上で非常に重要な役割を果たします。法人口座開設は、単なる手続きではなく、ビジネスの基盤を築く上で非常に重要なステップです。
メガバンクとは?
メガバンクとは、一般的に以下の5つの銀行を指します。
- 三菱UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
- りそな銀行
これらの銀行は、全国に支店網を持ち、豊富な資金力と長年の実績を持つ、日本を代表する大手銀行です。
メガバンクは、歴史が長く、企業としての安定感も抜群です。安心して取引できるというイメージをお持ちの方も多いでしょう。
メガバンクで法人口座を開設するメリット
メガバンクで法人口座を開設するメリットは、主に以下の6つが挙げられます。
圧倒的なブランド力と信頼性
メガバンクの最大のメリットは、その圧倒的なブランド力と信頼性です。取引先や顧客からの信用度が高く、ビジネスを円滑に進める上で大きなアドバンテージとなります。特に、大企業や官公庁との取引が多い場合、メガバンクの口座を持っていることは、取引における安心感を与えることができます。
創業初期の企業にとっては、メガバンクの口座を持っているというだけで、一定の信用を得られ、営業活動にもプラスに働くことが多いでしょう。
充実した支店網とATMネットワーク
全国各地に支店とATMがあるため、どこにいても利用しやすいのがメリットです。出張先や取引先への移動中でも、現金の出し入れや振込手続きがスムーズに行えます。
地方でのビジネス展開を考えている場合は、メガバンクの支店網の充実さが大きなメリットになります。
多様な金融サービス
メガバンクは、融資や決済サービス、投資信託、外貨預金など、幅広い金融サービスを提供しています。これらのサービスを、一つの銀行でまとめて利用できるため、効率的な資金管理が可能になります。将来的な事業拡大を見据えた場合、メガバンクの多様なサービスは大きな助けとなるでしょう。
特に、海外展開を視野に入れている企業にとっては、外貨預金や海外送金などのサービスが充実しているメガバンクは魅力的に感じるでしょう。
担当者による手厚いサポート
メガバンクでは、担当者が付き、口座開設や資金繰り、融資など、さまざまな相談に乗ってくれます。特に、起業したばかりで金融に関する知識が少ない場合、担当者のサポートは非常に心強いでしょう。
担当者によっては、業界の情報や融資に関するアドバイスなど、貴重な情報を提供してくれることもあります。積極的にコミュニケーションを取り、信頼関係を築くことが重要です。
融資を受けやすい
メガバンクは、他の金融機関と比較して、融資審査が比較的通りやすい傾向にあります。実績が少ないスタートアップ企業でも、メガバンクの担当者に事業計画をしっかりと説明し、信頼関係を築くことができれば、融資を受けられる可能性は高まります。
融資を受ける際には、事業計画書の精度が非常に重要になります。担当者と密にコミュニケーションを取り、計画のブラッシュアップを図りましょう。
社会的な信用度が高い
法人口座を開設する際には、登記簿謄本などの書類を提出する必要があるため、審査があります。メガバンクの口座開設審査をクリアできたということは、企業の信用度の証明ともなり、取引先からの信頼を得やすいというメリットがあります。
メガバンクの審査を通過したという事実は、企業の健全性を示す一つの指標となり、今後のビジネス展開において有利に働く可能性があります。
メガバンクで法人口座を開設するデメリット
メガバンクで法人口座を開設する際には、いくつかのデメリットも考慮しておく必要があります。
口座開設の審査が厳しい
メガバンクの法人口座開設審査は、他の金融機関よりも厳しい傾向にあります。特に、実績が少ないスタートアップ企業や個人事業主の場合、審査に通らない可能性もあります。
審査に落ちた場合は、審査落ちの理由をしっかりと確認し、改善策を講じることが重要です。
手数料が高い
メガバンクは、振込手数料やATM利用手数料などが、ネット銀行と比較して高めに設定されています。取引回数が多い場合、手数料が経営を圧迫する可能性もあります。
手数料を削減するためには、メガバンクの法人向けプランや手数料割引サービスを比較検討することが重要です。
口座維持手数料がかかる場合がある
一部のメガバンクでは、法人口座の維持手数料がかかる場合があります。特に、預金残高が少ない場合や、一定の取引がない場合は、手数料がかかるため注意が必要です。
口座維持手数料については、事前にしっかりと確認し、無駄なコストを支払うことのないように注意しましょう。
手続きが煩雑
メガバンクでの口座開設手続きは、ネット銀行と比較して煩雑です。店舗に何度も足を運ぶ必要があったり、書類の準備に手間がかかったりすることがあります。
事前に必要な書類をリストアップし、不備がないように準備することが重要です。また、メガバンクによっては、オンラインでの事前申し込みが可能な場合もあります。
担当者の当たり外れがある
担当者の知識や経験によって、サポートの質にばらつきがある場合があります。相性が合わない担当者の場合、コミュニケーションに苦労することもあるでしょう。
担当者との相性が合わない場合は、遠慮せずに担当者の変更を申し出ることも検討しましょう。
ネット銀行とは?
ネット銀行とは、実店舗を持たず、インターネットを通じて銀行サービスを提供する銀行のことです。代表的なネット銀行としては、以下のものが挙げられます。
- GMOあおぞらネット銀行
- 楽天銀行
- PayPay銀行
- 住信SBIネット銀行
- auじぶん銀行
これらのネット銀行は、実店舗を持たないため、運営コストを抑え、手数料を低く設定しているのが特徴です。
ネット銀行は、テクノロジーを積極的に活用し、新しいサービスを次々と提供しているのが特徴です。下記で詳しく解説しています。
ネット銀行で法人口座を開設するメリット
ネット銀行で法人口座を開設するメリットは、主に以下の4つが挙げられます。
手数料が安い
ネット銀行の最大のメリットは、手数料の安さです。振込手数料やATM利用手数料が、メガバンクと比較して格段に安く設定されています。取引回数が多い場合、手数料を大幅に削減できます。
特にスタートアップ企業や、取引回数が多い企業にとっては、手数料の安さは大きなメリットになります。
24時間365日利用可能
ネット銀行は、インターネット環境さえあれば、24時間365日いつでも利用可能です。時間や場所を気にせず、取引ができます。
夜間や休日など、銀行の営業時間外に取引をすることが多い場合は、ネット銀行の利便性が非常に高くなります。
口座開設が簡単
ネット銀行の口座開設手続きは、インターネット上で完結するため、非常に簡単です。店舗に足を運ぶ必要もなく、書類の郵送も不要な場合が多いです。
忙しい起業家にとっては、オンラインで簡単に口座開設ができるというのは、非常に大きなメリットになります。
先進的な機能
ネット銀行は、常に新しい技術を取り入れているため、先進的な機能が充実しています。会計ソフトとの連携や、API連携など、効率的な資金管理をサポートする機能が豊富です。
特に、クラウド会計ソフトを利用している場合は、ネット銀行との連携機能は非常に便利です。
ネット銀行で法人口座を開設するデメリット
ネット銀行で法人口座を開設する際には、いくつかのデメリットも考慮しておく必要があります。
対面でのサポートがない
ネット銀行は、実店舗がないため、対面でのサポートを受けることができません。電話やメールでの問い合わせとなるため、複雑な相談には不向きな場合があります。
複雑な相談や、銀行との交渉が必要な場合は、メガバンクのような対面でのサポートがある方が安心できるかもしれません。
法人口座開設審査が厳しい場合がある
ネット銀行によっては、メガバンクと同様に、法人口座開設審査が厳しい場合があります。特に、実績が少ないスタートアップ企業や個人事業主の場合、審査に通らない可能性もあります。
ネット銀行によっては、審査基準が公開されていない場合もあります。審査に落ちてしまった場合は、その理由を詳しく聞くことができない可能性もあることを理解しておきましょう。
信用度が低い場合がある
メガバンクと比較すると、ネット銀行は一般的に信用度が低いとみなされることがあります。大企業や官公庁との取引が多い場合、ネット銀行の口座では不利になる可能性も否定できません。
取引先によっては、メガバンクの口座を持っていることを必須条件としている場合もあります。取引先の状況に応じて、口座を使い分けることも検討しましょう。
ATMが少ない
ネット銀行は、実店舗がないため、自社のATMをほとんど持っていません。提携ATMを利用することになりますが、利用手数料がかかる場合や、利用できる時間が限られる場合があります。
現金での取引が多い場合は、ATMの利用頻度が高くなるため、手数料や利用時間をしっかりと確認しておきましょう。
メガバンクとネット銀行、どちらを選ぶべき?
ここまで、メガバンクとネット銀行のメリットとデメリットを解説してきました。では、実際にどちらを選ぶべきなのでしょうか?
最適な選択は、あなたのビジネスの状況やニーズによって異なります。
どちらの銀行を選ぶべきか迷うかもしれませんが、ご自身のビジネスにとって何が重要かを考えることが大切です。
メガバンクがおすすめなケース
- 社会的な信用度を重視する場合
- 対面でのサポートを重視する場合
- 多様な金融サービスを利用したい場合
- 融資を受けたい場合
ネット銀行がおすすめなケース
- 手数料を安く抑えたい場合
- 24時間365日利用したい場合
- スピーディーに口座開設したい場合
- 先進的な機能を利用したい場合
上記以外にも、会社の規模や業種、将来的な事業計画などを考慮して、最適な銀行を選ぶことが重要です。
口座開設の流れと注意点
法人口座の開設は、個人口座の開設よりも複雑で、いくつかの注意点があります。
口座開設の流れ(メガバンクの場合)
まずは、銀行の担当者と直接話をし、口座開設に関する疑問や不安を解消しましょう。
事前に必要な書類をしっかりと確認し、不備がないように準備しましょう。
審査には時間がかかることを考慮し、余裕を持って申し込みましょう。
口座開設時の注意点
- 審査には時間がかかることを理解しておく
- 必要書類は漏れなく準備する
- 事業内容や計画を明確に説明できるようにする
- 複数の銀行を検討する
事業計画書は、銀行が融資を検討する上で重要な資料となります。しっかりと作り込みましょう。複数の銀行を比較検討することで、より自分に合った銀行を見つけることができます。
まとめ|あなたのビジネスに最適な法人口座を選ぼう
この記事では、メガバンクで法人口座を開設するメリットとデメリット、ネット銀行との比較について解説してきました。
- メガバンクのメリット:ブランド力、信頼性、充実した支店網、多様な金融サービス、手厚いサポート
- メガバンクのデメリット:審査が厳しい、手数料が高い、手続きが煩雑
- ネット銀行のメリット:手数料が安い、24時間365日利用可能、口座開設が簡単
- ネット銀行のデメリット:対面サポートがない、信用度が低い場合がある
どちらの銀行を選ぶべきかは、あなたのビジネスの状況やニーズによって異なります。この記事を参考に、それぞれのメリットとデメリットを比較検討し、あなたのビジネスに最適な法人口座を選びましょう。
迷った場合は、メガバンクとネット銀行の両方に口座を開設し、用途によって使い分けるという方法も有効です。複数の口座を持つことで、リスク分散にも繋がります。
この記事が、あなたの法人口座開設のお役に立てれば幸いです。