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個人事業主として独立を考えている方、もしくは既に個人事業主として活動している方は、手元に残るお金がどれくらいなのか、気になっているのではないでしょうか?
会社員と違い、個人事業主は売上がそのまま手取りになるわけではありません。税金や社会保険料の支払いを考慮すると、実際の手取りは売上の6~7割程度。この現実に直面し、「もっと手元に残るお金を増やしたい…」と悩むフリーランスは少なくありません。筆者である私自身もフリーランスのWEBデザイナーからキャリアをスタートさせたので、この課題に頭を悩ませた経験があります。
独立当初は、売上に対する手取りの少なさに驚き、生活設計の見直しを迫られたこともありました。固定費の見直しや、案件単価の交渉など、試行錯誤を重ねてきました。
そこでこの記事では、2024年最新版の税制・社会保険料に基づいた年収別手取り早見表に加え、手取りを最大化するための7つの戦略を、私の経験に基づいた独自の見解を交えながら解説します。独立前に知っておくべき情報、そして独立後に役立つ実践的なノウハウを網羅しているので、ぜひ最後まで読んでみてください。
1. 個人事業主の手取り早見表【2024年版】
フリーランスとして働く上で、手元に残る収入がどれくらいか気になりますよね。そこで、個人事業主の手取り額の目安がすぐにわかる早見表を用意しました。
年収 | 手取り |
---|---|
200万円 | 140~150万円 |
300万円 | 210~225万円 |
400万円 | 280~300万円 |
500万円 | 350~375万円 |
600万円 | 420~450万円 |
700万円 | 490~525万円 |
800万円 | 560~600万円 |
900万円 | 630~675万円 |
1000万円 | 700~750万円 |
この早見表は、個人事業主の年間収入(売上ではなく、経費を差し引いた後の所得)に対するおおよその手取り額を示したものです。自身の収入目標を設定したり、生活設計を立てる際に役立ててください。独立を検討している方は、希望する生活水準を維持するために必要な収入を逆算することも可能です。
私の場合は、この早見表を元に年間の収入目標を設定し、逆算して月々の売上目標を立てています。この方法で、生活レベルを維持しつつ、事業を成長させるための具体的な目標設定が可能になりました。
ただし、税金や社会保険料は、所得、家族構成、居住地、健康保険の加入状況などによって変動するため、あくまで目安としてご利用ください。また、事業の種類によっても、社会保険料の負担額が変わってきます。例えば、会社員を辞めてフリーランスになった場合、国民健康保険に加入することになりますが、その保険料は自治体によって大きく異なります。
2. 手取り額を計算する方法
2-1. 計算式
一見シンプルな式ですが、それぞれの項目を正確に把握することが重要です。特に「経費」は、計上できる範囲が広く、見落としがちなので注意が必要です。
私自身も、独立当初は経費の計上について十分な知識がなく、損をしていた時期がありました。例えば、仕事で使用する書籍やセミナー参加費を経費として計上できることを知らず、自腹を切っていました。
2-2. 売上
事業活動によって得られた収入の総額です。請求書や領収書などを元に正確に把握しましょう。クラウド会計ソフトなどを活用すると、売上の管理が容易になります。
マネーフォワード クラウド会計やfreeeなど、様々な会計ソフトがあるので、自分に合ったものを選ぶと良いでしょう。これらのソフトは、銀行口座やクレジットカードと連携させることで、自動的に取引データを取り込むことができ、記帳の手間を大幅に削減できます。
個人事業主が無料で使える会計ソフト徹底比較!確定申告も楽々クリア!【2024年最新】2-3. 経費
事業を行うために必要となった費用の総額です。領収書などを保管し、適切に計上することで節税につながります。後述する「経費を徹底的に計上する」セクションで詳しく解説します。
経費の計上は、節税対策として非常に重要ですが、一方で、税務調査の対象となる可能性もあるため、適切な知識を持って行う必要があります。
2-4. 税金
所得税、住民税、事業税、消費税などが含まれます。所得に応じて税率が変わるため、正確な計算が必要です。税金計算は複雑なので、税理士に相談するのも一つの方法です。
特に、事業規模が拡大してきた場合は、税理士に依頼することで、より効果的な節税対策が可能になります。税理士費用は経費として計上できるため、結果的に手取りを増やすことにつながる可能性もあります。
【2024年最新版】個人事業主が知っておくべき税金の種類と節税対策を徹底解説!2-5. 社会保険料
国民年金保険料、国民健康保険料などが含まれます。フリーランスの場合、社会保険料の負担は大きいため、しっかりと把握しておく必要があります。
国民健康保険料は、前年の所得に基づいて計算されるため、高額になる場合もあります。また、国民年金以外にも、付加年金や国民年金基金に加入することで、将来受け取れる年金額を増やすことができます。
3. 手取りを最大化する7つの戦略
フリーランスは手掛けた仕事の報酬の合計が「年商=売上」となります。そこから経費を差し引いたものが、実質的な手取りの収入で「事業所得」と呼ばれます。
フリーランスにとって、手取りを最大化することは、事業を継続していく上で非常に重要です。以下に、私が実際に実践している効果的な7つの戦略を紹介します。
経費を徹底的に計上する
経費を適切に計上することで、課税対象となる所得を減らし、節税効果を高めることができます。これはフリーランスにとって最も基本的な節税対策と言えるでしょう。経費を1万円計上すれば、その分所得が減り、結果的に数百円から数千円の節税になります。
塵も積もれば山となる、の精神で、小さな経費も見逃さないようにしましょう。特に、フリーランスは経費計上がしやすい立場にあるため、積極的に活用することで、大きな節税効果を得ることができます。
事業に直接関係する費用であれば、経費として計上できます。例えば、仕入代金、家賃、光熱費、通信費、交通費、広告宣伝費、接待交際費などが挙げられます。
経費例 | 利用ケース |
---|---|
仕事で利用する通信費、光熱費の一部 | 自宅を仕事場としている場合は、使用面積に応じて按分して計上できます。私の場合は、仕事部屋の広さが全体の20%なので、通信費と光熱費の20%を経費として計上しています。 |
書籍やセミナー参加費などの自己投資費用 | スキルアップのための投資は、将来の収入増加に繋がり、経費として計上できます。ただし、純粋に趣味の範囲であるものは計上できません。例えば、Webライターであれば、ライティングスキル向上のためのセミナーや書籍は経費として計上できますが、趣味の料理教室の費用は計上できません。 |
業務に使用するソフトウェアやアプリの費用 | 例えば、クラウド会計ソフトや動画編集ソフトなど。年間で数万円の費用となる場合もあるので、忘れずに計上しましょう。Adobe Creative Cloudなどのサブスクリプションサービスも経費として計上できます。 |
コワーキングスペースの利用料 | 仕事場として利用している場合は経費として計上できます。領収書を必ずもらうようにしましょう。コワーキングスペースによっては、住所利用サービスを提供しているところもあり、バーチャルオフィスとして利用することで、自宅の住所を公開せずに済むメリットもあります。 |
交通費 | 取材や打ち合わせなどで移動が発生した場合の交通費も経費になります。ICカードの履歴や領収書を保管しておきましょう。 |
消耗品費 | 印刷用紙やインク、文房具などの費用も経費になります。 |
接待交際費 | 仕事関係者との飲食代や贈答品の費用も、一定の範囲内で経費として計上できます。ただし、プライベートな交際費は計上できません。 |
会議費 | 会議室のレンタル費用や、会議中に提供した飲食代なども経費になります。 |
広告宣伝費 | Web広告やチラシ印刷などの費用も経費として計上できます。 |
- 領収書の保管は必須: 経費として計上するためには、領収書などの証拠書類が必要になります。デジタルデータでの保管も可能です。私は、スマホアプリで領収書を撮影し、クラウドストレージに保存しています。
- プライベートとの区別を明確に: 事業に関係のない私的な費用を計上することはできません。例えば、仕事帰りに購入したお菓子などは経費になりません。
- 税務調査に備える: 税務調査が入った際に、経費計上の根拠を説明できるようにしておきましょう。税務調査では、経費の計上根拠を明確に説明することが求められます。
3-2. 青色申告を活用する
青色申告を選択すると、最大65万円の控除(青色申告特別控除)が受けられます。これは、白色申告と比較して大きなメリットです。特に、事業所得が比較的高いフリーランスにとって、青色申告特別控除は大きな節税効果をもたらします。
また、青色申告では、赤字を3年間繰り越せる純損失の繰越控除や、家族に給与を支払う場合に経費として計上できる青色事業専従者給与など、様々な特典があります。
最大65万円の控除(青色申告特別控除)が受けられる
青色申告を行うためには、複式簿記による記帳が必要です。これは、資産、負債、純資産、収益、費用という5つの勘定科目を用いて、取引を記録する記帳方法です。
複式簿記で記帳するため、白色申告と比べて手間がかかる
一見複雑そうに思えますが、会計ソフトを利用すれば、比較的簡単に記帳できます。freeeやMoneyForwardクラウド会計などのクラウド会計ソフトは、入力の手間を省き、正確な記帳をサポートしてくれます。
会計ソフトおすすめTOP3【2024年最新版】初心者向け比較青色申告を行うためには、事前に税務署に「青色申告承認申請書」を提出する必要があります。開業届を出す際に同時に申請することも可能です。また、電子申告を行う場合は、別途手続きが必要になります。
3-3. 小規模企業共済等控除を活用する
小規模企業共済は、個人事業主や会社役員などが事業をやめたり、退職したりしたときの生活の安定のために、国がつくった退職金制度です。掛金は全額所得控除の対象となるため、節税効果があります。
節税効果に加え、将来の資金準備にもなります。受け取った共済金は、一括で受け取れば退職所得、分割で受け取れば公的年金等の雑所得として扱われ、税制上優遇されています。
節税効果に加え、将来の資金準備にもなる
掛金は毎月一定額を支払う必要があり、中途解約時にはペナルティが発生する場合があります。
3-4. NISA/iDeCoで資産運用する
NISAには「一般NISA」と「つみたてNISA」の2種類があります。一般NISAは年間120万円まで、つみたてNISAは年間40万円までの投資が非課税となります。iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税となる制度です。長期的な視点で資産形成を行う際に有効な手段です。
NISA(少額投資非課税制度)とiDeCo(個人型確定拠出年金)は、投資による利益が非課税となるため、効率的な資産運用が可能。
投資にはリスクが伴うため、慎重な判断が必要です。NISAやつみたてNISAは、元本割れのリスクがあるため、投資対象を選ぶ際には注意が必要。
iDeCoは、原則60歳まで引き出すことができないため、長期的な資金計画を立てる必要があります。
3-5. ふるさと納税を活用する
ふるさと納税とは、自分が応援したい自治体に寄付をすることで、税金の控除と返礼品が受けられる制度です。
節税効果に加え、地域貢献にもなります。また、返礼品として、地元の特産品などを受け取ることができます。
控除額には上限があるため、事前に確認が必要。
3-6. 法人化を検討する
法人化とは、個人事業を会社組織にすることです。法人化することで、税率の低い法人税が適用されるため、節税効果が見込めます。また、対外的な信用力も向上するメリットがあります。
設立費用やランニングコストが発生します。会計処理も複雑になるため、専門家のサポートが必要になるケースが多いです。
事業規模や将来の展望などを考慮し、慎重に判断する必要があります.
個人事業主から法人化の最適なタイミングは?後悔しないために見極める5つの基準3-7. 専門家(税理士)に相談する
複雑な税制や社会保険制度について、的確なアドバイスを受けられます。自分だけで解決しようとせず、専門家の知恵を借りることで、思わぬ落とし穴を避けることができます。特に、税金や社会保険料は、法律や制度の変更が頻繁にあるため、常に最新の情報を得ることが重要です。
実績や経験、費用などを比較し、信頼できる専門家を選びましょう.相性の良い税理士を見つけることが大切です。
【起業家必見】税理士の顧問料相場を徹底解説|サービス内容・選び方・節税メリットまで4. まとめ
個人事業主の手取り額は、売上だけでなく、経費、税金、社会保険料によって大きく変動します.この記事で紹介した早見表や計算方法、そして私が実践している手取り最大化戦略を参考に、あなたも手取り額を増やし、安定したフリーランス生活を実現してください.