この記事には広告を含む場合があります。
記事内で紹介する商品を購入することで、当サイトに売り上げの一部が還元されることがあります。
個人で事業を始めるとき、最初につまずきやすいのが「開業届に必要なものは何か?」という疑問です。実は必要書類や提出期限、手続き内容を知らずに始めると、後から「青色申告をしようと思ったら手続きが遅れていた…」「都道府県税事務所への届け出を忘れていた…」といった問題が起こりやすくなります。
本記事では、「開業届に必要なもの」をキーワードに、税務署や自治体への書類手続きから会計ソフト・専門家活用のポイントまで網羅的に解説。これから起業・開業する人が最低限押さえておきたい情報を分かりやすくまとめました。ぜひ最後まで読んで開業準備を万全に整えましょう。
この記事はで読むことができます。
開業届とは?提出のメリットと基本ルール

ここではまず、「開業届」という書類が何なのか、具体的にどこへ提出し、どんなメリットがあるのかを解説します。意外と知られていない開業届の重要性を押さえておきましょう。
開業届とは何か

「開業届」とは、正式名称を「個人事業の開業・廃業等届出書」といい、個人事業を開始したことを税務署に報告するための書類です。税務署が事業者の情報を把握し、適切に税金を課税するために必要となります。

開業届の最大のポイントは、「しっかり提出している」という事実が公的な「事業をやっている証明」になるということです。後述する銀行口座開設でも有利になりますし、青色申告の申請を同時に行うことで税制上の優遇も受けられます。
開業届の提出先と提出期限
- 納税地は、基本的には「住所地」または「事業所の所在地」になります。
- ただし、遅れても大きな罰金が課されるわけではありませんが、青色申告などの特典を受けたい場合は別途期限があるため注意が必要です。
提出するメリット
- 税務署への事業登録がスムーズに
青色申告に必要な「所得税の青色申告承認申請書」もあわせて提出しやすくなる。 - 事業用銀行口座が開設しやす
開業届の控えを金融機関に提示することで、屋号付き口座をスムーズに作れる。 - 社会的信用度が増す
専門家への業務依頼や仕入先との契約など、「開業している証拠」を公的に示せる。
- 屋号口座を作っておくと、取引先からの入金管理や経費決済がスムーズになり、公私の区別をはっきりできる点が魅力です。

開業届に必要なもの一覧と提出の流れ
次に、実際に開業届を出すときに用意すべき必要書類や流れを整理します。書類に漏れがあると二度手間になるため、あらかじめチェックしておきましょう。
開業届(個人事業の開業・廃業等届出書)

- 税務署の窓口で取得
- 国税庁のホームページからダウンロード
- e-Taxでオンライン作成・提出

- 開業日
- 事業の種類(サービス業、飲食業、小売業など)
- 事業所・自宅の住所
- 屋号(任意だがぜひ記載を)
- 従業員の有無、給与支払の有無

- 直接税務署に持参する
- 郵送で提出する
- e-Tax(電子申告)で提出する
- 控え(写し)を1部用意して税務署の受付印を押してもらうことが重要です。この控えが、後に「開業している証明」として多方面で役立ちます。
本人確認書類・マイナンバー確認書類
マイナンバー(個人番号)の記載が義務化されているため、「個人番号カード」や「通知カード+運転免許証」などを用意します。

窓口提出の場合は、原本を提示して確認してもらえます。郵送の場合はコピーを添付する形になります。
青色申告承認申請書(任意)
- 最大65万円の特別控除
- 赤字の繰越(3年)
- 家族への給与を全額経費にできる(専従者給与の特例)
- 開業日から2か月以内(1月16日以降に開業した場合など)
- もしくはその年の3月15日まで
- 開業届と同じ所轄税務署

開業後、「やっぱり青色申告にしたい」と思っても提出期限を過ぎてしまうと当年分は白色申告扱いになります。忘れずに同時提出を心掛けましょう。
押さえておきたい税金・申告関連の知識
開業届を提出して事業を始めると、所得税だけでなく住民税や事業税など、さまざまな税金が関わってきます。ここでは代表的な税金や申告制度をまとめました。
青色申告 vs 白色申告

- 最大65万円の控除あり(複式簿記の場合)
- 赤字を3年間繰り越せる
- 青色事業専従者給与により家族給与が経費に
- 帳簿付けの正確性により税務署からの信用度が高まる
- 事前の承認申請が不要
- 記帳の手間が簡易的

- 事業規模が大きくなるほど、青色申告のメリットは大きいです。最初は手間をかけたくない気持ちもありますが、早めに青色申告を選んでおいた方が結果的に節税効果が高くなります。
下記記事で詳しく比較しています。

個人事業税・住民税・消費税
- 対象業種は法定されており、税率は3~5%が一般的
- 年間290万円の事業主控除を超えないと課税されない
- 事業開始等申告書の提出も必要
- 前年度の所得に対して課税
- 均等割 + 所得割が多くの自治体で採用
- 原則として開業後の2年間は免税事業者になるケースが多い
- ただし売上高や人件費が一定を超えると翌年から課税事業者になる
- インボイス制度導入により、適格請求書発行事業者として登録する選択肢も検討
- 将来的に売上が1,000万円を超えると消費税が発生します。またインボイス制度によって、取引先から「登録事業者になってほしい」と言われる場合も。早めに制度を理解しておきましょう。
節税のためにできること

- 掛金が全額所得控除になり、将来の退職金にもなる
- 掛金を全額所得控除にできる
- 自宅兼事務所の場合は家賃や光熱費の一部を事業経費化
- 車両やパソコンなど、事業に関わる支出をきちんと証拠書類とともに管理
- 節税メリットを狙うなら、会計ソフトを活用して正確に帳簿を付けることが前提条件です。領収書・レシートの管理を徹底しましょう。
開業準備でそろえておきたいその他の必須事項
開業届と税金のこと以外にも、事業用の口座開設、名刺・印鑑の用意、会計ソフトの導入など、スムーズなスタートアップのために事前に行っておくべきポイントがあります。
事業用銀行口座の開設
- 取引先からの入金をスムーズに管理
- ビジネス上の信用度アップ
- 開業届の控え
- 本人確認書類(免許証など)
- 事業内容が分かる資料(場合による)

銀行によっては審査に時間がかかる場合があります。早めに準備しておくことで開業後のキャッシュフローをスムーズにしましょう。

名刺・印鑑・営業ツール
- 名刺作成:屋号と連絡先を入れてデザイン。ネット印刷で格安注文できる。
- 印鑑:領収書や請求書用に角印を作るか、ゴム印でも可。
- SNS・ホームページ:簡易的でもよいので事業案内ページを用意することで集客にもつながる。
印鑑は下記記事でも解説しています。

クラウド会計ソフトや専門家の活用
- 銀行明細の自動取込みで記帳作業を効率化
- スマホでレシート撮影→自動仕訳も可能
- 青色申告書類の作成が簡単

- 記帳や税務申告を専門家に任せれば本業に集中できる
- 雇用関係が出てきたら労務の専門家にも相談

「税理士に依頼すると費用が高そう」と思いがちですが、本業の売上アップに注力できる時間が増えるメリットは大きいです。とくに開業初期は設定ミスが多いので、スポットでも相談を検討してみてください。
開業前・開業直後のチェックリスト
最後に、開業に向けた一連の手続きをまとめたチェックリストを紹介します。もれがないように順番に確認しましょう。
開業前にすること
- 事業コンセプト・収支計画・ターゲット顧客の明確化
- 自宅開業か、オフィス・店舗を借りるか
- 日本政策金融公庫など公的融資制度の利用可否を調べる
- 飲食店営業許可、古物商許可など、業種に応じて必要かチェック
開業時にすること
- 期限:開業日から1か月以内が望ましい
- 最大65万円控除の特典を受けるため
- 個人事業税の対象業種の場合
- 従業員を雇う際はハローワークや年金事務所で手続き
開業直後にすること

- ホームページやSNSアカウントで開業告知
- 税理士・社労士・司法書士など
- このチェックリストをベースに「今どこまで進んでいるか」を定期的に振り返りながら行動すると、開業準備の遅れを最小限にできます。
まとめ
本記事でご紹介したポイントを押さえておけば、初めての開業でも大きな失敗を防ぎやすくなります。
本記事のまとめ
開業から事業拡大に至るまで、税務・法務・労務など多方面の専門知識が求められます。もし一人での準備に不安があれば、起業支援プラットフォーム「タチアゲ」の無料相談を活用してみてください。

税理士・司法書士など幅広い専門家とマッチングできる仕組みが整っているため、開業準備から経営の安定化までを力強くサポートしてもらえます。起業前後にありがちな悩みをスピーディに解決できるはずです。以下のリンクより詳細をご覧いただけます。

これから起業・開業を検討している方にとっては、最初のハードルとなるのが開業届の手続きや書類準備です。ぜひ本記事の内容をチェックリスト代わりにして、スムーズなスタートを切ってください。あなたのビジネスの成功を応援しています!